彼と彼のささやかな無意識・4 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想書庫です


苦手な方はお気を付けください





















「明日も出勤ですか?」

「んー…俺が居なくても回るんだけど」



一つのベッドに二人で転がる

当たり前のように俺の部屋に入ってきて、当たり前のようにごろ~んと寝てくれるのがすごく嬉しい



隣の部屋にはニノ用のベッドが置いてある


「仕事関係で睡眠時間が極端に短くなっちゃう時があるじゃないですか

そういう時に起こしたりしちゃうのは嫌なので、持っていきますっ!」


そう言って、引っ越しの時に処分せず、持ってきてしまったベッド



部屋が分かれていることもかなり寂しいのに、さらにベッドまで別になるなんて…

想像しただけで泣きそうになった



「それは必要ないんじゃないかな~、きっと使わないんじゃないかな~、うん、使わないね、使わないよ!」と、かなり頑張って止めたけど、聞き入れてもらえなかった



どんな意思も尊重したいから、前の部屋から何を持ってきてもいい


ベッドの数は問題じゃない

俺の寝る場所は、ニノの隣だけだから


ニノが自分のベッドで寝ていたら隣に潜り込めばいいし、リビングのソファで丸まっていたらその横で一緒に丸まればいい

理想はもちろん、こうして当たり前のように俺のベッドで寝てくれるニノ!



はぁ…かわいいな



「回るけど、顔は出しに行くんですよね?」

「休めるときに休んでねって言ってるんだけどね、みんな真面目だから」

「大野さんが真面目だからじゃないですか?」

「え?どこが?」

「表面からは見えない部分が?」

「それは真面目って言わない気がする」

「あははっ でも頼もしい仲間ですね」

「うん」



大小に関係なく物事が動く時は、様々な思惑も一緒に動く

出世欲が一番分かりやすくて、手柄の奪い合い、責任の押し付け合い、足の引っ張り合いが日常茶飯事

無駄なことに時間を割いて、納期が迫ってから不眠不休で雑な仕事をして、結果的に思い描いた成果とは程遠いものになる

そんなくだらないことをして何の得があるんだろう?と不思議に思うけど、本人達は至って真面目だから余計に始末が悪い



「あのプロジェクトが順調かぁ、やっぱりリーダーが素晴らしいからですね」

「俺は何もしてないよ?」

「それがまた凄いというか…」



今回に限って言えば、中心になって動いてくれる人のほとんどが奇跡的にみんな真面目なので、例のくだらないことは極めて少ない

ほとんど無いと言っていい



狙って獲た場所だから、どんな事が起きても、責任だけは負おう決めていた

だけど今現在、拍子抜けするほどに順調だ



「今日ね、フロアで面白い噂聞いたんです」

「なになに?」

「不手際が起こったんですって、ミスと言うか、それ以前の見落としと言うか」

「うん」

「フォローしたらしいんですけど、相手側の偉そうな人がふんぞり返って乗り込んで来たとか」

「あ~」



あるある、よくある

今朝も似たような場面を見た

ミス自体は大したことないはずなのに、重箱の隅を突くように喚き立てて、無駄に優位に立とうとする人

優位に立ちたいなら初めからそうなるように物事を運べばいいのに

そんな小さなことを責め立てるなんて余程暇なのかな?という人ね



「でも、責任者出てこい!とか言われる前に、責任者がすでに最前線に立って誰よりも先に頭を下げてたんですって」

「へぇ~」



それが一番効率的で、ベターかな



「相手は何も言えずに、背中丸めて帰っていったらしいです

そんな上司、かっこよくないですか?」



ん?

格好いい?



「すごいなぁ、憧れちゃうなっ」



すごい?

憧れちゃう?!



「そうかな、普通だよそんなの、責任者なら普通でしょ」

「そうですか?」

「そうだよ!普通普通!」



噂って言ってたけど、実在…するのかな

ニノに格好いいって言われて、ニノに憧れちゃうって言われて、調子に乗ってる人間が、実在する?



まさか…


ニノの気を引くためにわざとらしくパフォーマンスしたんじゃねーだろうな



「へへっ」

「…なに笑ってんの」

「やっぱかっこいいなと思って」



へぇ…

どこの誰だか知らないが、上等だ



「それでね、今日はぅっ…んっ」



顎を引き寄せて、可愛く笑う唇を奪う



「んっ…んぅ…」



どんなに格好よかろうが、憧れだろうが、気を引くためのパフォーマンスだろうが関係ない



ニノは誰にも渡さない

















つづく