※ＢＬ妄想日記です
苦手な方はお気をつけください。
ゴツッ！
自分の顔から鈍い音がした
チカチカ光る小さな星が見える
突発的な行動力とか、予見出来ない思考とか、大野さんの大野さんらしい部分を甘く見てたわけじゃないけど
まさか頭突きされるとは想像もしてなかった
「ごめんねっ！！」
暴力に訴えて逆ギレするほど嫌なのに
「あの…もう一回チャレンジしても…」
もう一回とかケンカ売ってるとしか思えねーっ！！
「ちっがーーう！！キスだよ！キ！ス！」
…キス？
「唇と唇をくっつけるキス！」
そうだね、手と手をくっつけてもキスとは呼ばないね
「そのあとちゅーって吸ったり！」
唇をくっつけたあとに吸ったりしたら冗談では済まされませんよ
「あわよくば舌も入れたりしたいキスだよ！！」
まさかの舌も入れるとかそんなのは恋人達がするやつじゃん
それをどうやったら頭突きと間違えられるのか全く分からない
「キスしたいです！」
また大野さんが近付いてくる
「キスです！いいですか？！」
おでこが赤くなってるよ
いくら大野さんが石頭でも流石にそれは痛いんじゃない？
「黙ってたらしちゃうからね！」
あれ…？
手を伸ばせば触れられる距離に、大野さんが…居る？
あまりに予想外のことが立て続けに起きて、先を読む能力が消えたらしい
理解力も酷く低下してる
でもとりあえず黙ってたらキスするって言ってんだからなにか言わないと…
「なんで…」
「なに？！なんでしょうか！」
こんな時に限って大野さんが食い気味に言葉を被せてくる
「あなたと…」
「はいっ！オイラと？！」
この勢いに負けたら…
俺とキスなんかしたら…
大野さんの今までの努力が全て無駄になるじゃん
ダメだよ、嫌だよ、お願いだからそんなことで壊さないで
大野智は俺なんかに巻き込まれないでどんどん進んで欲しいんだ
「ニノが好きだから！」
胸を突き刺すような言葉は、あの蓋を簡単に開けようとする
でも大丈夫、勢いで言ってしまったことを鵜呑みにしたりしない
俺に出来ることはあの時から１ミリも変わっていないんだから
「私も好きですよ、嵐のメンバーは全員好きですからね」
収録という大義名分があっても寸前で止められたキス
面白くて笑えれば仕事という理由でなんでも出来る場なのに、大野さんはしなかった
分かってたけど…
その唇が目の前に来た時
俺の心臓は、この世の終わりかと思うほど鳴ってたよ
「ニノの気持ちは？！」
それに比べたらする理由もない今は気が楽だ
いつものようにさらっと流せばいい
つづく