順序を守らなかった果てに・8 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















「お待たせ~、院内なら歩き回ってもいいってさ」

「やったぁ!」

「ただし、俺も一緒にってのが条件だよ?」

「もちろん!早く行こっ」



なんだか嬉しそうな顔をするニノを見れて

俺も、嬉しくなった






「わぁ~、もうあったかいんだね~」

「だな~」



少しでも多く身体を動かしたいって言うから、わざわざ階段を使って屋上へ出た



「もう春なんだねぇ…あ!あれって桜かな!」

「どれどれ~?

おっ 本当だ~、もう満開かもしんないな」



屋上と言ってもここは五階建てだから、広い範囲を見渡せるわけじゃないけど

大きな通りの両脇に咲く桜の木が見えた




「綺麗だな~」



「さく…ら…?」




俺が医者だったら、この時のニノの変化に気付けたのかもしれない




「ニノ?」


「あぁ…うん、満開かもね」




桜を写していた瞳は、空へ向けられていた











「いきなり全力で色んなことしちゃ駄目だからな」

「は~い」

「毎日の定時連絡、忘れんなよ?」

「はいは~い」

「次の検診は…」

「もー!それも何度も聞いた!

無理はしません、定時連絡入れます、検診も行きますってば」




退院の許可が出た



身体は元気になったけど


心が元気になったのかはニノにしか分からないから

幾つかの条件付きで




「仕事も無理すんなよ?」

「へいへい」



最後のほうは若干投げやりな返事になってたけど

そのほうがニノっぽいなって、安心してた






「…もう散っちゃったなぁ」




花びらの落ちた枝を見上げながら、ニノが言った




「お花見したかった?」

「まぁね、季節ものとして、一応ね」


「来年も咲くからさ、そしたらお花見しような」





俺には届いてる



だから、早く来て



待ってるから





「タクシー来たぞ~」


「はーい」





















終わり