※BL妄想日記です
苦手な方はお気をつけください。
最短で半年と言われていた仕事は、一年以上続いた
無名で舞台経験もない俺になにが出来るだろう?と考えたこともあった
でもそんなことは気にするだけ無駄だ
この仕事を俺へと選んでくれた時点で大成功は決まってるんだ
目の前のことを一つ一つ
与えられた役割を一つ一つ
しっかりと向き合っていくことだけを考えているうちに、月日はあっという間に過ぎていった
待ちに待った再会の時
「ニノっ」
「おーのさぁあーんっ!」
一回り大きくなったニノを見て、目頭がぐわーっと熱くなった
ニノの頑張りは、本人から聞かなくてもテレビを観て知ってた
色んなことに挑戦して、色んなことを吸収して
少しだけメソメソもクヨクヨもしただろうけど、そんなことを微塵も感じさせないキラキラオーラでいつも一生懸命に頑張ってた
「ただいま」
「おかえりなさぁーいっ!」
生声、生ニノ、妄想じゃないリアルニノ
頑張ってる時も辛い時も
ずっとずっと、求めて止まなかった
「…大野さん?
もしかして…泣いてるんですか?」
「泣いてねーよっ」
泣くのはいつもニノが先だったのに…
ものすごい笑顔で、元気いっぱいに「おかえり」なんて言うから、びっくりして涙が出たんだ
「お仕事、お疲れ様でしたっ!」
「ニノも、よく頑張ってたな」
「だって頑張った先には大野さんが居るんですもんっ それは頑張っちゃいますよぉ~」
「そっか…」
俺が側に居ない間、ダンスも歌も上手くなって、楽器もやり始めたみたいだし
ニノはニノでしっかりやることやって、俺が思うよりもずっと強くなったのかもしれない
「ニノ」
「はいっ」
「会いたかった」
「俺もです!」
「好きだよ」
「…ぁ…ふぇ…っ」
「ん?」
「生のっ…お、大野さんにっ
生の声で…ぅっ…ぅうっ…うぇーーん…
俺もぉ…すきぃー…うえーーん…」
「あははっ」
やっぱりニノはニノだっ
「失礼します
お疲れ様ですっ」
「お久し振りです
戻ってきました」
「はい、おかえりさない」
こっちへ戻ってきてすぐに、事務所に呼ばれた
「デビューの日が決まりましたので、早速明後日からレコーディングの準備に入ってくださいね」
「はいっ」
「僕はもう行かなくちゃいけないので、あとは彼に聞いてください」
「はい」
「ニノくん、大野くん、いよいよこれからです
二人でしっかり頑張りましょうね」
つづく