カミシバイ 最終章・5 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















「ねぇ、和」

「ん~」

「背中、どうしたの」


「転んだ」

「矢の上で?」

「うん、まぁ」

「…ごめん」

「なんでよ、やめて、智は悪くないじゃん」



こちらに背を向けないように歩いていたから、鎌を掛けただけだった



「痛いよね…


それは、ここでは抜かないほうがいいの?」

「そうだね、帰ったら抜く」



厳命したはずなのに、友は傷を負っていた


無力な自分が歯痒くて、悔しい



「こうしたら…少しは痛みが和らぐ?」



傷に手を当てて、額を乗せる



「触ったら駄目だよ」

「嫌だ、触る」

「駄目だってば!」

「嫌だっ!」



逃げる背中を抱き締める




痛みさえも圧し殺す友の為に


早く良くなりますようにと懸命に祈った




「あれ~、智のお陰で楽になってきたかも」

「え?ほんと?!」

「うんっ」

「次からは俺が和の背中を守るからねっ」

「え~?」

「守るのっ!決めたの!」

「あはははっ」




その笑顔を


あなたの笑顔を



守るからね






万物に宿っていた神は還り

全ての扉はまた固く閉ざされた




亜種の命が消えると


それに守られていた小さな妖達が消え、均衡を失った森も湖も濁り、毒された



王の命が消えると


民の心は乱れ、国が乱れ、そして、自滅の道を歩み始めた





命を落としたのは亜種一匹と、若き王



しかし、その代償は計り知れないものだった





あの災悪を記した書は無く、語り継ぐ者も、今はもう存在しない











「あ~!これ可愛いっ!

なんの種類だろ?あんまり見たことないな~」

「えっ?そうなの?!和が知らない花なの?!」

「うん、知らない」

「これはねぇ!これはねぇ…

……青い花と、黄色い花です」

「え?智も知らないんだ?自分の庭なのに?」

「ド忘れしたの!」

「ぷぷーっ 格好悪~!」

「そうだよ!俺は格好悪いんだよっ」

「なんでそんな自慢気なのさっ」

「だって本当に格好悪いのに、誰も俺のこと格好悪いって言わないんだもん」

「へ~」

「…もう一回言って?」

「格好悪っ!」

「んふふふ~」

「あははははっ」






我は生きている



互いの胸にあった確かな熱さ



一辺を失ったのなら、一辺が生きる意味も無かったのか




風に揺れる小さい二つの花




この世を創造するものが神だと言うならば



この二つの種が枯れ落ち果てても



再び寄り添い



生きますように





















終わり




最後までお付き合いくださいました皆様、ありがとうございましたm(_ _)m