カミシバイ 最終章・3 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

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こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















「和?!和っ!もういいよ!もう止めて!」



大丈夫だよ…



「駄目だよ!あとはこっちで全部引き取るから!」



そこに、居てね…



「和!もういいからっ!」




二つの種の共存

それが叶えば、また会える



僅かな可能性は、彼を強くする



もしこの命が果てたとしても

次に生まれてしまった同族が

大切な人と好きな場所で生きていけたらいい



願いながら立ち続け


次第に崩れていく、亜種の姿




歓喜の声は、果たしてどちらからのものだっただろう




何を守る為に、誰が命を削り、そこに居たのか



偏った眼を疑いもしない輩から

次々と弓が引かれた





幾重にも響く、身を貫く音



そして、それに重なったのは驚愕と絶望の悲鳴




「…なんで?!」



背に集めるはずの矢は、彼に届かなかった



「和の背中はさぁ、矢を受ける為のものじゃないからねっ」



輿を抜け出し


息をすることも忘れて


歪んだ空気を蹴散らして走り


その背に背を合わせて立ったのは、王だった




「バカなの?!」


「まさかここまで来れるとは思ってなかったんだけどね?和のお蔭かなぁ」


「そんな訳ないじゃない!貴方が色んなものと仲良くなったからでしょ!」


「そのきっかけをくれたのは和だもん」


「だからって…バカなの?!」

「バカだよ~」

「バカじゃないだろ!」

「なんだよ、和がバカだって言ったんだろ」

「もー…どうすんだよぉ」

「んふふ~」


「ほんとに…貴方って人は…」


「和、お待たせ」


「うん、待ってた…ふふっ」


「あははっ」




鮮烈な光景だった



荒れる大地と歪む空気



その中で、背を合わせて笑う亜種と王




「あのさ…これ終わったらさ」

「散歩…しようねっ」



残りの命を掛けた力は、扉から溢れ出る災を飲み込み



「…二人で、ね」

「しよう…ね」



その背を守る為に走った命は、鮮血となって地に流れ落ち



二つの士気と、我を忘れた恐怖を


消していった

















つづく