カミシバイ 序章・4 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

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こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















「智は、すごく綺麗にお茶を飲むね」

「そう?」

「もしかして、どこかの貴族様?」

「さぁ、どうだろ?

和は?生まれはどこ?」

「さぁ…?どこかな?」



互いに答えなかった理由は、すぐに知れる



失踪の騒ぎが城へ届き、軍が動く



大気を乱し、禍々しい足音を響かせるそれは


彼の縄張りを侵し、彼の形相をも変えさせた



「…和?」



人型が崩れ、妖の欠片が顔を出す



「…ごめん」

「なんで謝るの?」

「俺…半分だけなの

智が人って知ってて…こんなとこまで来させちゃった、ごめんね」

「俺が来たくて来たんだよ」

「…帰りな、近くまでお迎えが来てる」

「また遊びに来ていい?」



駄目だと言った

あれだけの軍が動く人物なんて限られている



この世界の血が半分しか流れていなくても分かる


人々にとって、失ってはならない人



万が一、地位や肩書きが一般的だったとしても、自分という存在を広める訳にはいかない



信じては、裏切られ


信じては、売られ


その都度傷付き、疲れ果て、住処を変えてきた



分かっていたのに

なぜ一緒に過ごしたりしたのだろう


なぜ心が通うかもしれないと希望を見たのだろう




「また来るねっ」




彼も、色々なことを理解していた


深く関わってはいけない者が居ることを、幼き頃から教えられていた



人型でも近づくな


人型だからこそ警戒しろ


まずは国、そして王

民が残っても、国と王が存在しなければ意味はない、と




それでも明るい言葉を残したのは…




「和」

「…智?」


「次の満月に遊びに行くね」


「駄目だよ、また大事になる」


「だったら和がこっちへ来て」


「分かった、次の満月に遊びに行くね」



彼の声は、彼に届く

互いの胸に、互いが居る



それに救われ、それに癒され


「我は生きている」


その身に、感じる確かな熱さ





「すっごい騒動になってるけど…いいの?」


「国の為、王の為


これを言えば大抵のことは通るから」


「駄目な王だねぇ」


「そうなの、俺は駄目な王なんだよ」


「そんなことないよ!」


「え~?今さっき和が言ったんだよ?」


「俺は言ってもいいけど、智は言ったら駄目なのっ」


「なにそれ~」


「ほら、庭を案内してくれるんでしょ?」


「うんっ」


「行こうっ」



あの日のように手を繋ぎ、駆け出した





時代が違えば

生まれが同じなら

幸せはあったのかもしれない



だが今は、万物に神が宿る時



決して結ばれることのない一人と一人の物語





















終わり




時代物、神の力、大野さんが高位、二宮さんが妖の世界、歓迎されにくい二人でリクエスト・アメンバー様