せかむぢゅ♡図書委員の初恋・12 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

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嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















「…ダメ、かな」

「いや、ダメってわけじゃ…」

「あげたい人が居る?」



僕の言葉に、鮫島くんはふっと目線を流した

それを追って僕もそっちを見ると、たくさんの人に囲まれているサクラさんが居た



予想通りの大人気で、両手には無理矢理渡されたと思われるいくつかのボタンと、いくつかのネクタイがあった



「鮫島くんも、渡してくれば?」

「は?」

「好きなんでしょ、サクラさんのこと」

「好きじゃねーし」

「だったらそれ、僕にくれる?」

「だからなんでお前に…」

「僕達はとってもお似合いの王子様とお姫様だから」


「…シンデレラか?」


「そう、お似合いだったでしょ?」


「それとこれとは…」


「渡す人居ないなら僕が欲しい」



こんな言い方はズルいかな


本当の意味で「好き」だと言う勇気を持てないのは僕も一緒だもんね




「やっぱ…無理だ」



ネクタイに手を掛けて、外そうとしていた腕が止まる



「二宮のことはいい奴だと思ってる

だけど、ごめん」



きっぱりと断られてしまった




「そっか、残念」

「でも、二宮と俺はお似合いの姫と王子だったと俺も思ってる

あの学園祭は、すごく楽しかった」

「うん、そうだね、楽しかったね」

「学校生活も、楽しかったよ」

「うん」

「元気でな」

「鮫島くんも!」

「おう」




こうして、僕の初恋は終わった











あれから十数年




「ニノ、準備出来た?」

「うん」

「なんかこう…改めてだと照れるなぁ~」

「せっかくのお付き合い記念日ですもん、たくさんいちゃいちゃしましょうねっ」




卒業後、鮫島くんと会う機会は一度も無かった



噂ではイギリス留学を途中で諦めて、ご実家の旅館へ戻ったらしい

その後、ホテル経営という夢へ向かって独立したと聞く




「お~!でっけーホテルだなぁ~」

「ね?素敵だよね~」



SAMEJIMA HOTELSが新しいホテルを完成させたとテレビでやっていた



「こういうところに泊まるって、なんか緊張すんなぁ」

「大人の贅沢ですよね」



日本各地にSAMEJIMA HOTELSが経営してるホテルがあるのはもちろん知っていて

完成したと聞く度に遊びに行こうとした



でも、あの鮫島くんが経営してるんだよ?


外見だけじゃなくて中身も妥協なんか一欠片も無いと思う



世界のトップを争うような立派なホテルに対して僕はどうかな?って考えると


なんだか身の丈に合わない気がして足が向かなかった



「よし、行くか」


「はいっ」



今は、有り難いことに仕事もたくさんいただけて金銭的にも余裕が出来たし

そして何より、胸を張って紹介したい恋人が居る



だから、二人の記念日に予約を入れた

















つづく