※BL妄想日記です
苦手な方はお気をつけください。
「はぁ…疲れた…」
やれるだけのことはやったけど、後処理でもう一度呼ばれるかもしれない
それを想定に入れてスケジュールを巻いていかないと…
旅行の日程だけは、死守するんだから
部屋に帰ると、夜も遅いのにニノが居てくれた
ホッと心が緩む
二人で旅行したら、こんな瞬間がたくさんあるんだろうな
楽しみだなぁ…
「旅行は、止めましょう」
ニノからの予想外の言葉に、思考が止まった
こんなに楽しみにしてるのに
なんでそんなこと言うの?
忘れてた悲しさと寂しさが、込み上げてきて
「早く抱きたい、もう黙って」
話す余裕を取り払った
「ゔ…ぁ…さと…し…」
「ニノ…ニノ…」
俺が悪いのは分かってる
「さと…ぁあっ…あっ…」
だけど苦しくて…
ニノの言葉を聞き入れたら、全てが終わってしまう気がした
「部長、お忙しいところすみません、これに判子ください」
「はいは~い」
翔くんから渡された資料に目を通してたら、なぜか視界が霞んできて
何度も目を擦りながら判子を押す
「はい、お待たせっ」
「引き継ぎと調整と実務ですかぁ、想像するだけで吐きそうになりますね」
「全然大丈夫だよ」
「顔色酷いですけど、ちゃんと寝てます?」
「うん、いつも通り」
「あんまり無理しないでくださいよ」
「は~い」
寝る間も食べる間も惜しくて、とにかく仕事を進めた
そして、このまま行けば出発する朝にはマンションへ帰れるところまで追い付いた
「よし、予定通り
ふぅー…明日からニノと旅行だぁ」
夜までに終わらせる仕事の段取りを組んでると、緊急のメッセージが届く
すぐに開けてみると、それはK支社からの出張要請だった
「……もう…来ないかと思ってたのに…」
忘れてたわけじゃない
だけど、電話でのやり取りで事なきを得てたから
先週の件は無事に収束したのかと思ってた
「今から行って…こっちに戻ってこれるのって…」
折れそうになった心をすぐに立て直す
落ちてる暇なんかない
二人で約束した沖縄へ行くんだ
「ニノ…ごめん
少しだけ遅れちゃうけど、待っててね」
部長室を飛び出した
つづく