トワトハ・部長's episode9 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

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こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















誰かに呼ばれた気がしたけど、今はニノとキスしてるんだ

だから、邪魔しないで


この大切な時間には限りがあるんだから



離されてしまった唇をすぐにまた重ねようとすると、頬が左右に引っ張られた



地味に、痛い



「部長!仕事です!行かないと!」



そんなのどうでもいいから、キスの続きしてよ!今すぐ抱いてよ!

…なんて、言うわけないのは分かってたけどね



ニノは部長としての俺も大切にしてくれてるから

それに応えられないなら、恋人としても失格



「行ってきます」



望まれるようにしっかりと切り替えて、会議室へ向かった











-本部長代理を命ずる-



「期待してるぞ」

「…謹んで、お受けいたします」



ただの紙なのに、酷く重い



全社へ向けた公示は明日



ニノは…なんて言うだろう






いつもなら心が弾んでウキウキするのに、マンションへ向かう足が鉛のように重い



怒ってるかな

離れることを自分の口から伝えられなかったから、嫌われるかな…



どんな選択肢を並べてみても笑ってるニノを想像出来なかったのに

出迎えてくれたニノは、普通だった


怒ってないし、俺を責めたりもしない



人事異動なんてこの会社で働いてるなら誰にでも有り得ることだから

今回のことも、ニノにとってはなんでもないことなのかな…



一緒に来て欲しい



そんなことを考えてるって知られたら、幻滅されるんだろう



この会社での将来とか、ニノ自身の将来とか

そういうものを全て奪うことになるんだから、それこそ嫌われる



いや、やっぱりニノは、なんでもない顔して「嫌です」って言うのかもしれない



軽やかに笑うニノが好きなのに

平気そうに笑ってるニノを見るのが辛い



いつまで経っても、俺は出来損ないの駄目な恋人だ






本格的な引き継ぎが始まって、社内が騒がしくなった

翔くんも、ニノも、普段の業務をこなしながら、目まぐるしく動き回ってる



「この週末も出張…」



当たり前のように離れて

当たり前のように忘れられていく




「そうなる前に…なにか…」



少しでもニノの心へ俺が残れるようなこと


プレゼントは…欲しいもの聞いても「無い」しか言わないから駄目

思い出…旅行、旅行だ!


そうだよ!果たせてない約束がある


ちゃんと守らないと!



「沖縄だ、いいじゃん!二人でのんびり過ごそう!

よし、贅沢にいこう、だって最後になるかもしれな…」



無意識に出てきた言葉を止めた



別れないし、手放せるはずもない

だから、最後じゃない



これは最後の思い出作りなんかじゃない

















つづく