絶炎・4 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















「大野さんから誘われる時って、いつも突然"行くぞーっ"ですよね」

「そうかぁ?」

「そうですよっ」




あれは、大野さんが卒業した次の年




『行くぞーっ』

「…へ?」

『初詣!お願いごといっぱいするぞ~!』



色んな場所が閉じる年末年始は、必然的に家に居なくちゃいけなくて

存在を消すように、静かに過ごしていた



『寒いからモコモコなの着て来いっ』



携帯から聞こえてくる声に心が緩む



『あと5分くらいで着くからなっ』

「…え?今から?!」

『そうだよ!初日の出も見るぞ~!』



楽しそうな声が途切れて、急いで支度をした





「さっむいなぁ~」

「あったかいです」

「は?マジで?!」

「はい、ぽかぽかです」



空気は肌を刺すように冷たい

だけど、大野さんの隣は、あの家のどこよりも温かい




電車に乗って、都心から少し離れた厄除け大社に着いた



たくさんの人が新年を祝していて



「明けましておめでとー!」

「明けましておめでとうございますっ」



大野さんと一緒に新しい年を迎えられたことが、すごく嬉しかった




冷たい風に凍える身体をジャンプしながら温めて、順番を待つ



「きたきた、よし、張り切ってお願いごとしよう!」

「はいっ」



カツン…コロコロコロ

お賽銭を入れて、丁寧に深く二礼、控えめに二拍手



大事なお願いごとだから、礼儀正しくしないとね



手を合わせて、目を閉じた



大野さんが今年も幸せでありますように

大野さんの家族が今年も幸せでありますように



心の中で唱えて顔を上げると

隣に並んで手を合わせていた大野さんは眉間にシワを寄せて、すごく真剣な顔をしていた



なにか重大なお願いごとでもあったのかな?





「…これにしようかな!」

「なんだか可愛いの選んだなぁ」

「この形と、この色が綺麗だな~って」



小さな鈴が二つ付いたお守りを買う

手の中で揺らすと、青と黄色のそれはチリチリンと鳴った



「どこに付けんの?」

「鍵です」


「そっかぁ~」



あの家を出るんだって決めてから

自分の部屋の鍵には、お気に入りのキーホルダーを付けようと思ってた


それを、大野さんと一緒に居るときに買えた



嬉しいなっ





「なにをお願いしたんですか?」



さっきの真剣さが気になって、隣を歩く大野さんに聞いてみる



「言ったらご利益減りそうだから言わなーい」

「え~?」

「ニノは?なにお願いしたの?」

「…ご利益減るなら言いません」

「だよな~、届くといいな?」

「はいっ」




大野さん家にたくさんの幸せが届くといいな

















つづく