部屋の外・12 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















とにかくまずは落ち着こう



「もう一回やるね!」



翔ちゃんが許可してるなら力ずくで追い出すことは出来ない



「はじめまして」



なにもしないで静かにしてるなら、仕事の邪魔ではない



「大野です」



空気が変わったのはこの人が入ってきたからか…



「名刺、渡したほうがいいかな?」



つーかさ!翔ちゃんも翔ちゃんだよ!

あれから変な奴の情報教えてくれなかったのに、勝手に許可証なんか出しやがって!



「それともさ、握手とかし…」

「るせーなっ!邪魔しないって誓約交わしたんだろ?!だったら黙ってろ!」

「そう…だね、ごめん」



あ、やば…




なんだか知らないけど色々喋ってたのに


急に真面目な顔して押し黙った



最小限の動きで機械が一番少ない場所を選んで進み

近くのデスクから椅子を持ってきて、壁のほうを向いて座ると


そこから、ピクリとも動かなくなった




こんな時間にこんな場所に来るなんて

しかも堅物の翔ちゃんを口説き落として、誓約書まで書いたって言ってた



俺に、なにか用があったのかな…




「あの…」



でも、なんて声を掛けたらいい?



さっきは焦って怒鳴っちゃったし

今もすっごい焦ってる


ドキドキっていうか、ズキズキして痛い



だってさ、初めての片想いの相手でさ

こんな再会があるなんて考えてなくて

サトシはサトシで赤い糸の先を見付けてるはずで

俺なんかのことを…


あ、また俺なんかって使ってる



こんな暗くて後ろ向きだからサトシのことが分からないのかな



初めて会った時はなんでも通じ会う気がして

それから世界がほんの少しだけ開けたって思ってた



だけど、そんなの勘違いだったんだ




出前をここまで持ってきてくれたことのお礼を言ってない

その前に怒鳴ったこと謝らないと駄目だ



「あ…」



待って…もしかして、ROUGEの設計者ってことを知って、怒ってるのかな

騙したな!って、ふざけんなよ!って言いに来たのかもしれない



受け止めなきゃ…



ちゃんと…



全部…




「………」



言わなきゃいけないことがたくさんあるのに、声が出ない


頭がぐちゃぐちゃで、なにをどうすればいいのか分からない




人が居るとは思えない静かなフロア



サトシは身動ぎ一つしなくて

俺も、一歩も動けなかった

















つづく