※BL妄想日記です
苦手な方はお気をつけください。
当たり前のように過ぎていく日々
仕事をして、笑って、家へ帰って、寝る
変わらない毎日なのに、地球上の空気は段々と薄くなっている気がした
なんでこんなに息苦しいんだろ…
身体の機能を止めて、時間も止まって欲しい
それが無理なら、一気にその瞬間まで飛んでしまいたい
ホテルのベッドで目覚めた
飛び切り薄くなっていた空気を胸いっぱいに吸い込む
「ついに来たね…」
大野さんの気持ちが変わってるかもしれない
明日は初日だから、リハが長引いて会えない可能性もある
「怖い?」
自分に問う
胸に手を当てて、答える
「怖い…けど、大野さんと一緒なら、怖くてもいい」
この手は、大野さんと繋がってる
だから、大丈夫
無事にリハを終えて、打ち合わせ等の諸々も全て終えた
間もなく大野さんの誕生日がやって来る
冷蔵庫に入れておいたケーキを持って、部屋を出た
コンコン
「俺です」
きゅっと握った手で、ノックした
「おつかれ~」
迎えてくれた大野さんは、濡れた髪を拭いていた
「早かったね…って、あれ?シャワーは?」
「あっ…」
…そういうの、全部忘れてた
汗と埃にまみれたプレゼントなんて有り得ない
「ごめん、出直すね」
「ここで浴びちゃえば?」
タオルを渡される
今さっきまで大野さんが使っていたバスルーム
程よい湿気の中に、大野さんの香りが混ざってる
「ふぅ…落ち着け」
念入りに身体を洗う
「ついに、来たんだ」
大野さんが欲しいモノを渡す時
急に要らないって言われた時の為に、俺は常に冷静でいなくちゃいけない
身体なんて繋げなくてもいいんだから
少しずつ重ねてきた心と、二度と離さないと決めた手
その二つがあれば、こらからも二人で穏やかに過ごしていける
「…ふぅ~」
薄い空気を懸命に吐く
「よし」
カチャ
部屋へ向かった
つづく