共に手を・2 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















ポーン


エレベーターが地下に着いた



扉が開いて、繋いでいた手を離そうとすると

きゅっと力が入る



「大野さん?」



踏み出した足が戻された




「…着きましたよ?」

「ニノ」

「はい」

「誕生日プレゼント…」



おっ?!もう教えてもらえるかも?!

これは準備のしがいがあるなー!



「なにか思い浮かびました?」

「ニノ…」

「うん?」

「…が…欲しい」




……え?




それはとても小さな声だったけど、聞き間違えてはいないと思う


だけど、意味をはき違えてるかもしれない




「それは…えっと…」



人は下りないと判断した箱が、扉を閉める



「ニノが欲しい」



真っ直ぐに見つめられて、思考が止まった




答えを…早く…言わないと…




「ダメかな…」

「ダメじゃない!」



反射神経のみで声帯が動いた



「そっか…よかった…

じゃ、次の仕事行くね」



開くボタンが押されて、地下の空気が入ってくる



「ニノも撮影がんばってね」



離れた手がひらひらと舞って


それと同じように応えたのを見た大野さんは


ふわっと笑ってから送迎車へ乗り込んだ






「今…なんて言った?」



俺が欲しい

そう言ったの?



ほんとにそう言ったとして

大野さんに駄目かと問われて、俺は駄目じゃないと答えた




なんていうか…びっくりしたな




俺の誕生日に、キスしてくれた

身体だけのことを言えば、そこから先には進んでいない



…無いものと思ってた



俺達には、無くてもいいと思ってた




「…ほんとに?」



俺を望んでくれてるの?





一度目

俺が望んで、酷くしてもらった


なにもかもどうでもよくて

どんな感情でもいいから、俺にぶつけて欲しくて、そう望んだ



望んだ通りに、手加減なく抱いてくれた




二度目

とても優しかった


それが苦しくて堪らなかった



苦しくて、苦しくて

離れることを選んだ




それのどちらも、大野さんには重くのし掛かってしまった




こうして二人で進むことを決めるまでにも

たくさんの時間を掛けないと無理だった



部屋に上がることも出来なくて、触れることさえ難しくて

それを一つずつ、少しずつ乗り越えて、今がある




「…大野さん」



ドクドクと心臓から血が送り出される



あなたと進めるなら、どんな道でもいい




「さぁ…行こうか」




呆然と立ちすくむ俺を不思議そうに見ていたマネージャーが待つ車へ、乗り込んだ

















つづく