LOVEDOLL・70 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















「…嫌だった」


「なにが!!」

「雅紀が…居なくなっちゃうのが」

「はぁ?!」

「家族とかそういうの俺には分かんないけど

もし兄ちゃんが居るとしたら雅紀みたいだろうなって思ってたから!

もし会えなくなっても!

生きててほしかったから!」



俺が居なくなっても、雅紀には旦那様のお側で

変わらず笑っていてほしかった



だけど、それだけじゃなくて…




「どうしても雅紀には生きて…笑っててほしかったから!」




生きててくれないと、俺が寂しいんだ



だって、生きてたら…また会えるかもしれなくて

会うことは叶わなくても、すごく遠くからでも


雅紀の笑ってる顔見たらさ


元気貰えたり


笑顔になれたり


しちゃうんだよ、きっと



だから…




「お前の幸せはどこいったんだ!!」



バチンッ



「お前が幸せじゃなきゃ皆が幸せになれるわけねーだろ!!」



バチンッ



「勝手に犠牲になんかなりやがって!!」

「犠牲に…なんか…」

「なってんだろ!この馬鹿!!」



バチンッ!




…駄目だ


もう耐えられない



雅紀、ごめん

少しだけ…休憩…させて…



膝が抜けて、門の側に腰が落ちた






「立てよ!」

「雅紀」

「なんですか!」

「無抵抗の相手に、それ以上手を上げるのはいけないよ」



…旦那様


門前で騒いでごめんなさい


でも、雅紀を止めないでください



頬を打たれやすいように顔を上げる



振り上げられた腕が止まったその横に

なにかが光って見えた



「…だって…カズが…馬鹿だからっ」



……え?


…涙?



雅紀…泣いてるの?




「俺だってなぁ!お前のこと弟みたいに思ってんだぞ!

家族みたいだなって思ってたんだぞ!

お前のこと守りたいって、俺だって思ってんだぞ!

それなのに勝手に…俺の為とか…馬鹿なことするからっ」



…家族

雅紀も、兄弟みたいって、思っててくれたの?



「カズが幸せじゃなきゃ、俺だって幸せじゃないんだぞ!

そんなことも分からないなんて…ほんと…馬鹿な弟だっ!」




初めて見る雅紀の涙に

心が震えた




「…ごめんなさい」




俺は本当に、馬鹿だ…




「…ごめ…なさ……」





伝わってきた想いが熱くて

殴られた頬が熱くて



雅紀の前世って、太陽なんじゃないか



本気で、そう思った

















つづく