血炎・21 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















「ごめんなさい!今日バイトなんですっ」



「…特売日に?珍しいな」

「はい、社員さんが異動しちゃって人手不足なんですよ~

それに俺、この前急にお休みもらっちゃったんで、その埋め合わせです」


「…そっか」

「ほらほら~、部長さんはちゃんと部活へ行ってくださいっ」



大野さんを回れ右させて、背中を押す



「身体…身体は?!平気か?」



振り返った大野さんは、やっぱり悲しい顔をしていた



「もちろん!絶好調ですよっ」



そんな顔させてごめんなさい



「じゃ、次のバイト休みにまた飯食いに来いよ?」

「はいっ」



大野さんの後ろ姿が見えなくなるまで、手を振った






本当は、休みなんだ



特売日だけは、必ずお休みもらってるから


でも、もう必要ないから



もうっていうか、初めから必要となんてされてなかったんだろうけど



それなのに、わざわざ俺なんかを探してくれて

大野さんってばお人好しなんだから



…でも、嬉しかった



俺には充分過ぎるほど、嬉しかった






いつものコースを回る



理科室、図書室



花壇が見える廊下の窓から校庭を覗いていると

部活を終えた大野さんが校舎から出てきた



「あっ 大野さ…」



勝手に走り出した身体を無理矢理止める



大野さんを見付けると、走り出す癖がついちゃってる…




「今日のご飯はなにかなぁ~」



大野さんの後を追い掛けるようにして、櫻子先輩が走ってきた



「ハンバーグかなぁ?」



二人は、並んで歩き始める




「俺も…食べたかったなぁ…」












ちゃんと時間を潰してから家に入ったのに

居間に明かりがついていて、ギクリとした



「ただいまっ」

「和也」

「なに~?」

「失敗しちゃった」

「なにを~?」

「子育て」



これは、流石に、聞き流すことが出来なかった



喉がグッと絞まって

言葉を発することが出来なかった



失敗したから、俺が余ったのか

俺が余ったから、失敗なのか




「…あははっ」



こうやって声を絞り出す以外に、俺になにが出来ただろう




なんと答えれば、正解なんだろう

















つづく