トナリデ | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















緑が濃くなってきた



風が暖かい



知らない間に桜が終わって、あっという間に夏になる




こうして季節が移り変わるように


俺も少しずつ、変わっていきたいな






「ニノ、ちょっと」

「はいっ」



理由がなくても、大野さんと一緒にいられるようになってから

俺は恙無く日々を過ごしていた



柔らかくて、穏やかで、優しくて、強い

そんな空気に、いつも守られている




仕事は、やらせてもらえる範囲が広がって

今まさに、自分が出した企画が通りそうなんだ



これからもっと忙しくなる



会える時間はすごく少なくて

寂しい…って、思わないこともないけど

出社すれば大野さんと会える可能性があるし



それに今日は朝から部長がフロアに居る日で

ほらっ今も名前 呼ばれたし!



寂しいなんて言ってらんないよねっ





「はい、なんでしょう」

「入って」

「失礼します」



久しぶりに入る部長室



…アレ以来?



アレ言うな!

思い出すなバカ!




「今日はもう帰っていいよ」

「……はい?」

「最近無理し過ぎ」

「そりゃ多少の無理はしますよ

企画通したいんで」



この企画が通れば、俺がチーフになる

やっと部長と対等に仕事が出来るんだ



これを無事成功させて、二人でお祝いとか…だいぶ気は早いけどさ



それってすっごく嬉しくない?!




「うん、それはわかるけど

ニノが居ると仕事の効率が落ちるから」

「…それは、なぜですか?」

「これ、こことここ

昨日貰った資料のここ

明日の会議資料のここも」

「…あっ」



大野さんに指摘された箇所には

きちんと確認すればすぐ分かるレベルのミスがあった



「ニノらしくないよね」

「すみませんっ すぐ直してきますっ」

「いいよ、俺がもう直した」

「……すみませんでした」




部長は、大きな案件いくつも抱えていて、その全ての案件で中心的存在にあって


それに加えて、部下から上がってくるこういう企画にも目を通さなくちゃいけない



誰よりも忙しい人なのに


こんなミスまで直させるなんて…




「ニノ、頑張るのと無理するのは違うよ

わかるね?」

「…はい」

「最近ずっと休み返上で働いてるんでしょ

今日はもうこれの打ち合わせもないし、急いで進めなきゃいけない交渉もない

半休扱いにしとくから、帰りな」

「…はい、すみませんでした」



今日はいつでも顔が見れるって嬉しくて

張り切ってたのに



邪魔だから帰れって、言われちゃった…




「ニノ?」

「…すみませんでした、明日から切り替えてちゃんとやります」

「うん、お願いね」

「今日はこれで…失礼します」



フロアに戻ってすぐに帰り支度をして


会社を出た

















このお話は『トラワレ』続編です。


つづく