君の手を・33 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















目が覚めると、何故かベッドで寝ていて

身体中が痛いことを知る



ギシギシと音が鳴る身体を起こすと

胸に付けられた無数の青い跡と、身体中に付いた痣が目に入った



「…………」



声も枯れてる




…俺は、どうしたいのか





逃げるな



考えろ

















「顔色…酷いな、大丈夫か?」



収録の合間に、心配そうな顔をした翔ちゃんに声をかけられた




「大丈夫だよ、ごめんね」

「ならいいけど」



優しいなぁ…

翔ちゃんはいつでも優しい



「翔ちゃん」

「ん?」

「俺…もう大丈夫だよ

今日は、お守りも家に置いてきたんだ」

「そっか」


「…ありがとう」

「なんだよ!改まって」

「俺、ちゃんと決めたから」

「…そうか」

「翔ちゃん 大好き!」

「おまっ!声がデカイ!!」



慌てて俺の口を押さえようとする翔ちゃんの手に

チュッとキスをして


「これからも、嵐のメンバーとして、よろしくねっ!」


ぎゅっと握った



「おぅ!こちらこそなっ」



翔ちゃんは俺の手をぎゅっと握り返して


眩しい笑顔を向けてくれた



…また二人で笑えた



よかった…




ありがとう、翔ちゃん

















「おつかれ~」



メンバーが一人ずつ取材を終えて帰っていくのを見送りながら

最後の大野さんが終わるのを一人待っていた




「ニノ?」

「待ってた、少し時間貰っていい?」



大野さんが楽屋に戻ってきたのを捕まえて

駐車場に停めてある俺の車に乗ってもらった




「どうしたの?もう俺に抱かれたくなっちゃった?

んふふ いいんだよ


これからは二人でいっぱい愛し合おうね」



助手席の大野さんは、俺の手を取って指を絡ませながら、うっとりと言った




俺は、大野さんの言葉に「うん」と頷いてしまう前に



大野さんに握られていた手を、引いた





「ニノ…?」



「俺は、一人で進むことにした

大野さんとも、もちろん翔ちゃんとも、進まない」



「…ははっ なんだよそれ

ニノは、俺が抱いてあげないと寂しいでしょ

これからもずっと、俺を求め続ければいいんだよ」



「…そうかもね」



「車出しなよ、まためちゃくちゃにしてやるから」




身体が疼く

熱くなってくる自覚がある



またこの人に狂わされたい、この人と狂いたい



そう思う自分が、確実に存在する

それは認める



だけど…




「…それは、もういいや」

「なんで?」

「大野さんだって、この関係がおかしいことくらい

始めから分かってたんじゃないの?」

「常識の話?そんなもの関係ないから」

「違うよ、常識なんてどうでもいいよ」

「じゃあ何?!」



「…あなたに告白した時、俺は受け入れてもらえなかった


それなのに翔ちゃんと仲良くしてるの見て、急に気が変わったの?」


「それは…」


「それで、あなたをまだ好きであろう俺で遊んで楽しんでたの?


あなたに翻弄されて簡単にボロボロになってく俺見て楽しんでた?」


「…違う」


「思惑通り最後にはあなたに縋り付いた俺を笑ってたんでしょ


ひーひー言いながら鳴く俺はさぞかし面白かったでしょうね」


「なんだよそれ…違うよ!」


「それとも俺のことただのモノだと思ってる?

俺の気持ちなんかどうでもよくて


自分に気がある奴を所有して自分の思い通りに弄びたいだけでしょ!」

「違うってばっ!なんでそんなことばっか言うんだよ!!」



「…始まりが、もうすでにおかしいんだよ」

「俺のこと好きなくせに、ニノが翔ちゃん翔ちゃんって縋るからだろ!


ニノが悪いんだよっ!俺だけを見ようとしないニノが悪い!!」



そっか…


大野さんの本音はそこか…




「…そうだね、俺が悪い」



大野さんに付き合おうって言ったのに


すぐ翔ちゃんに逃げた



それでも大野さんのことが好きで


身体だけでもいいから繋がりたいと縋った



…弱い俺



それが、全ての原因




「早く車出しなよ


抱きあえば、そんなのすぐどうでもよくなるから」



「…あなたとは進まない」



「ごちゃごちゃ言ってないで出せって!」



「翔ちゃんは、大切なメンバーだよ


今までも…これからもずっと」



「…だから何?」



「大野さんも、大切なメンバーだよ

今までも…これからも」



「…嘘だ」



「信じないなら、それでいいよ」



「……なんで…なんで俺を選ばないんだよ!ニノ!!」



肩を掴まれて、強く揺さ振られる



でも、心までは揺るがない



「俺は、誰のことも選ばない」



…もう人を求めたりしない



俺は大野さんを正面から見据えて

はっきりと言った



「納得するまで車降りなくてもいいよ

だけど、大野さんが降りない限り、前に進めることもしないから」


「…なんで……ニノ…やっと…やっとニノと…」



俺と…なに?


ははっ 聞いても意味ないか







長い沈黙が流れた後



自分が乗っている限り、俺が車を動かさないと分かったのか

大野さんは何も言わず、静かに車を降りていった

















つづく