toraware・部長's episode2 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

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※BL妄想日記です


苦手な方はお気を付けください。



こちらのお話は『toraware』番外編です。





















彼は、すぐに部署の仲間と馴染んだようだった



あまりフロアに居られない俺は

彼と顔を合わせることはほとんどなかったけど

「ニノ」と呼ばれて、みんなが笑う中心にいる姿を見掛けると

俺も自然と笑顔になっていた




あれから俺は、ビルの屋上には行っていない

不思議なことに、ここから逃げたいと思うことがなくなった
















年が明けて、大きな案件を幾つも抱えて多忙を極める中

彼の様子がおかしいことに気付いた



どこか…笑顔に陰りが見えるような


身体に大きな怪我でもしてるんじゃないかと思うほど

辛そうに歩いている姿を見掛けるようになった



…どうしたんだろう



何か困っていることでもあるんだろうか

俺に何か出来ることはないのか

そう思うのに、俺は明日も出張で、早朝から出掛けなければならなかった








朝から出張先を駆け回っていると


…何か嫌な予感がして

なぜか会社に早く戻ったほうがいいような気がして


仕事を大急ぎで片付けて、最終便に飛び乗った



「なんだろう…怖いな」



胸がざわざわして

落ち着かない




空港に着いた俺は、タクシーを急がせた

だけど、嫌な予感は強くなるばかりだった



彼に何かあったのかな…

仕事で良くないことが起こったとか…



俺はとにかく会社へと急いだ











フロアへ入るドアに手を掛けたところで

俺は足を止めた

「ゃっ…ぁ…やぁ…やだっ…やだぁっ…」

人の声が聞こえる

声ってゆうか…真っ最中…だよな?



…ふぅ



どこでサカろうと別に構わないけど

ここには会社の人だったら誰でも入ってこれるのに

無用心だなぁ



「ぅあ…あ゛…や…あ゛…」


それになんだろう…

随分苦しそうな声を上げてる



中からずっと聞こえてくる苦しむような声は気になったけど


これじゃ盗み聞きしているようで


その場を立ち去ろうとした時


「…っ…しょ…ちゃ…ぁ…」


聞こえてきた声に、足を止めた



…え?翔くん?!



「カズぅ……イキたい?」



それから……彼だ




そっか、二人は恋人同士だったのか



なんだ、俺が心配する必要なかったな

この胸騒ぎも気のせいだったんだ

彼の側には、翔くんがいるんだから




でも…


「…やめ…て…しょ…ちゃぁっ…あっ…」



「やあっ…や…ぁっ……あっ…あーっ…」


全然幸せそうじゃない

全然気持ち良さそうじゃない

ずっと苦しそうな声で喘//いで

しかも…泣いてる?



まるで、全身で「助けて」って言ってるみたいだ




恋人同士のことに口を出すなんて趣味じゃないし無粋だけど…

俺だったらあんな泣かせ方しないのに



優しくキスをして



優しく抱きしめるのに




彼の「助けて」という悲//鳴が本当に聞こえた気がして

俺は急いでフロアから離れながら、携帯を取り出した


「お疲れ様、大野です

…今出張先なんだけど、2年前に翔くんが作ったJ社の資料送ってほしいんだ

…明日の朝一で使うから、今夜中に貰えると助かるんだけど

…うん、ありがとう、急でごめんね、ホテルで待機してるから」



これで今夜は解放されるかな…



俺はそのまま会社を出た
















つづく