15周年の秘密・2 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

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こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。




















「お邪魔します…」



ニノが外で飲むのは面倒臭いと言うので


ニノの部屋で飲むことになった




「そこらへんに座ってくださいよ」



綺麗に片付いた部屋は、物が少ないけど


そのぶんニノの存在が際立つようで…


オイラはソファの前に腰をおろしてからも


その存在の痕跡に包まれている感覚に


落ち着かなかった




「ビールしかないですけど」



緑色した缶をテーブルに置いたニノは、ソファの端に腰を下ろした



「で?」


「え?」


「何か話があるんでしょ?」


「なん…で」



いきなり核心を突かれて


オイラは口元に持ってきていたビールを


グッと握った



「なんでって、用もないのにうちまで来ないでしょ


車の中でだってずっと黙ったままでさ?


何?難しい相談だったら人選ミスですよ」



ふふっと笑いながら、ビールに口をつけるニノは


いつものように話しやすい空気を作ってくれる



オイラはいつも、こんなニノに助けられて


偶然にも同じ嵐というグループでいつも隣にいることができて


幸せだと、思っているんだ



…オイラは、それを、壊すのか?



今まで築いてきた信頼を


当たり前のように隣にいてくれるこの環境を


この気持ちを口にすることで


失うんじゃないのか…?




「…翔ちゃん、呼ぶ?」


「…え?」


「今日はあと打ち合わせが一本って言ってたから


呼んだら来てくれるんじゃない?


大野さん、話しづらいんでしょ


翔ちゃんなら色んなこと知ってるし


来たら俺席外すし」


「違う!」



携帯に手をかけたニノを


思わず大きな声で止めた



オイラがなかなか話せないことに


ニノが配慮してくれたのはわかる



でもそうじゃないんだ



オイラと二人きりなのに、ほかの人の名前を呼ばないで…



ニノ…



ニノ…




「ニノに、話たいことが…あるんだ」


「あ、そうなんだ」



ニノは大きな声を出したオイラに少し驚いた顔をしただけで


じゃあ待ちますよというように


オイラのビールの横に柿ピーを置き


静かに携帯ゲームを始めた



奇跡の夜なんだ


15周年を迎える前に


…言うんだ



心を決めた






「ニノ…」


「…はい?」



ニノはゲーム機から目を上げずに、静かに返事をした



「今日の収録で、15周年を迎えるために、秘密の暴露したでしょ」


「えぇ、しましたねぇ」


「実は、言っておきたいことが


もうひとつ、…あるんだ」



ゲーム機の電源を切ったのか、ニノはどうぞというように


静かにオイラを見た



「あ…、あのさ」



言うんだ


伝えるんだ



「オイラ、ニノのこと…好きなんだ」



言った


言ってしまった


いつからかわからない、仲間よりももっと深い気持ちで


ニノを想っていることを




「…で?」


「え?」



ニノがどんな顔をしてオイラの告白を聞いたのか


確かめるのが怖くて下を向いていたら


いつもよりずっと不機嫌な声質で


ニノが口を開いた



「だから何?」



とっさに、壊れてしまったんだと思った


オイラは壊してしまったんだ


男から、しかも同じグループのメンバーから


好きだなんて言われて


気持ち悪いに決まってる



「あなた、何がしたいわけ?」



だんだんと低く、さらに不機嫌になる声が静かな部屋に響く



言ってしまったからには


どんな結果も受け入れようと


固まって痛い心臓に手を当てて、恐る恐る顔をあげた



「なにも、望んでない…」



振り絞って出した声は、震えていたと思う



「はい?」


「伝えたかっただけなんだ


ニノが好きだって


自分勝手で…ごめん」



言ったことに後悔をしているわけではなかった


でも、ニノのイラついた舌打ちが聞こえて


身体から血の気が引いていくのがわかった




受け入れてもらえるなんて思っていたわけじゃない


笑ってありがとうなんて、言ってもらえるとも思ってない



だけど、こんなにも冷たい声で


見たこともない怒りで


オイラの気持ちをさも迷惑そうな顔で突き返されるとは


思っていなかった

















つづく