生ける世の別れを知らで契りつつ 命を人に限りけるかな 

 [光源氏]




「生き別れなどというものがあるとは知りませんでした。命のある限り一緒にいられると思っていたのに」

源氏物語は恋愛小説として

本当に優れていると思います。

光源氏がモテるのは、

外見もあるのだが、何よりも情熱的である。

物語を読むだけで光源氏の熱い想いが感じられます。

思いのたけを込めて詠む和歌には引き込まれます。

日本語と言うのは表意文字です。

言葉に沢山の意味を込めることが出来ます。

だからこそ、和歌を思慮する際に

一生懸命に相手を想う気持ちが高まってゆくようです。

現代の恋愛小説では決して感じることの出来ない

言葉の美しさがあります。

イケメンである光源氏は外見だけでモテているのではない。

素敵な情熱的な ”心” があるから

次々に女性達が堕ちてゆくのです。

女性は恋愛を左脳ですると言われます。

つまり、女性は言語を司る左脳優位なのです。

だから女性を口説くための和歌に

女性達は強く刺激されたように思います。

光源氏になれなくても、現代において男性はもっと

女性への愛の言葉を大切にしなくてはいけない。

「好きだよ」

「愛してる」

「君だけだ」

「早く会いたい」

「会えないと寂しい」

「いつも想ってる」

「明日死んでも後悔しないように愛します」

等々・・・・・

たとえ気の効いた言葉が使えなくて、

短くてもいいのです。

短いからこそ心をこめて表現するのです。

現代の男は恋人の左脳を

もっと刺激しなくてはいけません。

現代において、愛を表現することは

欧米人の文化のように語られますが、

決してそんなことはありません。

日本でも、1,000年前の古(いにしえ)の頃から

言葉で愛を表現してきたのです。

恋と四季と自然を愛でる和歌は

史上最高の美しい愛の表現だと思います


源氏物語を何度読んでも、

胸が熱くなるのは日本語のもつ魅力なのでしょう。

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