コロニーという海外ドラマを見ました。自分はかなり楽しめましたので感想を。

 

この手の海外ドラマは、ビジネス感想サイトくらいしか取り上げないうえ、自分とは感性のかなりズレた感想しかいつもかかないので、自分で感想を補完する方がいいですね。

 

というわけで感想を書いていきます。例のごとくネタバレもありますので未視聴の方は注意。

 

 

コロニーは、SFではありきたりな、地球外生命体が人類を管理する系の物語ですが、この物語の肝となるのは、人間が人間を統治して、エイリアンは基本的に殆ど直接的には人間に接触してこない点にあります。

その為エイリアンと協力関係にあり、コロニー管理を行う支配層と、横暴な管理体制に反感を持つ市民側のレジスタンスの抗争がこのドラマの主な要素になっています。

 

ドラマの最初の方では普通のアメリカのロサンゼルスの日常そのままの光景。

しかし、異様な壁と、異質なドローン、変な赤いベレー帽を被った軍事組織、殆どの人が自転車を交通手段にして、車が殆ど走ってない様子など異質な感じに目をひかれます。

 

知事代行のポスターなども赤色背景で、まるで旧ソ連を彷彿させるような感じになってます。

アメリカにとってディストピアの象徴が社会主義であり、旧ソ連なので、こういう感じのデザインにしたんだろうなという想像ができます。

 

コロニーの壁で、ふさがれてしまい、家族も離れ離れになってしまうという感じの雰囲気はまさにベルリンの壁を彷彿とさせますしそういう面も含めてこのドラマの異様さを際立てて妙なリアリティを醸し出してるのだと思います。

 

メインのストーリーは、仲良し一家の主人公が元軍人上がりの優秀な元FBI職員が身元を隠して生活していたのをとあるテロ事件に巻き込まれた事がきっかけで暴かれてしまい、LA知事代行の意向によりテロを追う捜査官の一員として活躍していくという王道ストーリー。一方妻はそのテロ実行犯側のテロリストの一員だったという流れ。

 

主人公は別に権力側につきたいわけでもないし、異常な世界を正したいという思想家としての活動だが、立場の違いにより色々なことが交錯していく物語という感じだ。

 

 

こういう物語の場合、全体の世界観、歴史観、登場人物それぞれの立場による立ち振る舞い方そういったものが重要かつ魅力的な要素になる。

 

特に自分が感じるこの物語は、権力側に組した方が結局のところ恩恵にあずかり、反体制側は手痛いしっぺ返しを食らうことが殆どであるというポイントだと思う。

 

強権的で、市民の不満を一身に買うし、何か少しでも社会的な間違いを犯そうものなら「ファクトリー送り」という二度と戻ってこれない場所に送られてしまう。テロに加担したものがいればその家族も全員送られてしまう。

市民の情報はIDで管理されており、その行動も何もかも体制側の監視下にあり、たとえ故意の罪でなくても、無関係であっても断定されてしまえばファクトリー送りに合う。

 

こうした秩序を維持するための強権的な体制が、ますますレジスタンスのグループを誕生させてしまう構図になっている。

 

そしてその背景にはホストと呼ばれる人間以外の圧倒的な存在がいて、彼らのドローンが治安維持部隊と共に同じ治安維持行動を取る世界の異質さが、圧倒的支配力を発揮できる背景にある。

 

そして敵対的な関係の中にある夫婦で妻が夫のスパイをしたりしながら物語が展開していくわけだが、間違った正義は間違った結果を生むというのもスゴク端的に表しているドラマで、彼らの行動がけっことして彼ら家族に様々な影響を与えてしまうことになる。

 

このドラマは単純に主人公がかっこいいだけでは済まされないし、主人公だけでなんでも解決できる万能すぎるほどの能力も備わっているわけではない。確かに主人公は物語の中では圧倒的な力を発揮するキャラクターとして描かれるが、あくまで組織の中で守られたうえでの話であり、その組織を敵にして勝ち続けることができるほど超人でもない。

 

なので、様々な権力、社会情勢、勢力間の構造が複雑に絡み合いつつも、その組織に属す彼らがどう立ち回っていくかを見るのがとても面白いドラマなわけである。

 

シーズン1では、ロサンゼルスコロニー内の抗争がメインであり、スケール感が小さい故わかりやすいが、シーズン2ではもっと大きな枠での物語が展開されていくことになる。

 

この物語に登場する人物には明確な悪人・善人などは存在しない。

それぞれが自分たちの立場で物事を考え自分たちの正義を通しているにすぎないのである。

そしてそこで人間性が問われたり、対立が生まれ、コロニーという閉鎖された環境の下、社会が混乱する有様を描いている。

 

シーズン2まではまだ途中であり、クライマックスのシーズン3で締めることになるだろうが、物語的にもクライマックスが見えており、シーズン3で締めるのは無駄に引き延ばさない意味でもとてもいいように思う。

 

日本ではまだ配信されていないシーズン3だけど、楽しみに待っていることにする。

 

シーズン3が配信され、見終わったら。語りたいことがあったらたくさん語っていこうと思う。