ベトナム在住の

ヒプノセラピスト・作業療法士の

二宮和加子です虹

 

 

2022年7月22日から24日まで、

日本ホリスティックアカデミー主催の

「悲嘆療法プロコース7日間」の前半を

ZOOMで受講しました。

 

 

悲嘆療法とは
死別や離別などによって

二度と会えない家族や友人、

ペットと催眠状態で再会し、

 

伝えたかったことや 

訊きたかったことなどの

未完のコミュニケーションを

完結することで、

心の傷を癒していくセラピーです。



悲嘆療法は、この講座の

講師である村井啓一氏が

作ったセラピーです。

 

悲嘆療法

 


私は、講座の中で

村井先生のデモセッションを

体験しました。

 


セッションの中で、

亡き愛犬と再会して話をしました。
体験後、私の心の中で

ずっと残っていた後悔や自責の念などの

マイナスのエネルギーが消えて、

心が軽くなりました。

 

 

その後、亡き愛犬を思い出す時には

心の中がプラスのエネルギーだけで

満たされています。

それは愛のエネルギーです。

手のひらにハート


亡き愛犬は私の実家で

両親と暮らしていた珀(はく)と

いう名の大型のミックス犬

(ラブラドールレトリバー+秋田犬)の

オスです。

 


2021年8月に17歳で大往生しました。
大型犬の17歳を人間の年齢に例えると

124歳くらいだそうです。


珀は私が実家に住んでいた頃に

知り合いから譲っていただいた犬です。
実家に来た頃には

真っ白な子犬だったので、

白の漢字が使われている

「珀」と私が名づけました。


私が珀と暮らした時間は1年半余り・・・
仕事の関係で私は家を出ることになり、

その後は私の両親と珀との

二人と一匹の生活となりました。
両親と珀との生活は15年以上になります。



セッションで私が珀に訊きたかったことは

 

『最後に会った時にいつも通り

「父さんと母さんのことをよろしくね。

二人を守ってあげてね」と頼んだことが、

珀の精神的負担にならなかったのか?』

 

ということでした。


私が珀に最後に会った日が

2019年11月3日。
10月に台風があり堤防が決壊し、

実家は1階が床上浸水の被害を受けました。

 

 

私は復旧作業のために

ハノイから実家へ戻りました。

実家の庭には瓦礫が散乱し、

そこに流された車が乗り上げていました。

主屋の中は1階が泥だらけで

生活はできません。


私が実家に到着した時、

犬小屋が流された珀は、

主屋の玄関の中で暮らしていました。

ちょっと疲れたような表情で

しょんぼりと毛布に寝ていた珀の姿が

今でも目に浮かびます。

 

珀です。

珀


ハノイに戻るために旅立つ日、

私はいつもどおり珀に

「父さんと母さんのことをよろしくね。

二人を守ってあげてね」と笑顔で話しかけて

実家を後にしました。

 


私はいつも実家を旅立つ時、

珀に両親を守るように

お願いしていました。

優しくて頼もしい珀に

両親を託していたのです。


でも、この時はいつも通り

珀にお願いすることに対して、

私の中で葛藤がありました。

 


その時、珀は15歳でお尻に腫瘍もあり

健康体ではありませんでした。

その上、洪水という怖い体験をして

しょんぼりしている老犬の珀に、

いつもどおり両親を守って欲しいと頼んだら

珀の重荷になるのではないか?

とためらいや迷いがありました。

 

 

でも、いつも通り頼まないと

珀が逝ってしまうのではないか?

という不安もよぎり、

敢えていつもどおり、

珀に両親を頼む選択をしました。



翌年2020年にも

日本へ一時帰国する予定でした。

しかし、コロナの影響で

日本へ一時帰国して

珀と再会することは叶わず、

2021年8月5日、17歳で珀は永眠しました。

 

セッションで

「私のお願いが重荷だったのではないか?」と

珀に尋ねると

 

 

珀は

「そんなことは無いよ。

父さんと母さんを守るのが

僕の仕事だから。

それは楽しいことだから、

いつも通りで良かった。

 

大水は怖かったけど、

いつも通りに頼んでくれたから、

また頑張ろうと思えた。

 

わかちゃんは全然悪くないよ。

ありがとうだよ」

と答えました。

 

 

「父さんと母さんが

元気だと僕も元気。

元気な父さんと母さんを

見ていたかったから

長生きしたかったんだ。」とも。

 

 

それから、珀は私達と家族になれて

うれしかったことや

両親との生活が楽しかったことなどを

語ってくれました。

 

 

そして

「ありがとう。楽しい一生だったよ。

わかちゃんも楽しく暮らしてね。

みんなが笑顔でいれるように、

いつも見守っているよ」

 

 

という言葉を私に残して

戻っていきました。

 

 

私はこの記事を泣きながら

書いています。
でも、以前のように悲しい気持ちや

後悔の気持ちで流している涙では

ありません。


珀への感謝の気持ちでいっぱいで

溢れ出てくる涙なのです。



ありがとう。珀。
珀が家族になってくれて

本当に幸せだったよ。
父さんも母さんも楽しかったと思うよ。
もちろん、私も楽しかったよ。


珀の言う通り、

笑顔で楽しく暮らすからね。
見守っていてね。


ハノイの風景


悲嘆療法は残された家族の心を癒して

生きる希望を与えてくれます。


私はセラピストとして

悲嘆療法のセッションも

行なっていきます。
8月下旬に悲嘆療法のプロ講座の

後半4日間が開講されます。
さらなる研鑽のため、

日本に一時帰国して受講する予定です。

 

 

そして、講座が終わったら実家に帰り、

庭に眠っている珀と話をしようと思っています。

 

 

*モニターセッションは

9月下旬に募集する予定です。

興味のある方はお気軽に

お声かけください。

 


出会いとご縁に感謝して・・
ヒプノセラピスト・作業療法士
二宮和加子