和ちゃんからの着信が
何件も溜まってることに
気づいて、掛け直す。



「優姫っ‼︎何号室?」



「あ…」




和ちゃんは心配して
ホテルまで駆けつけてくれたが
部屋番がわからずに何度も連絡を
くれていたらしい。




それからあっという間に
勢い良くドアが開かれた。





「優姫っ‼︎」




私を見つけると
周りには見向きもせず
思いっきり抱きしめられていた。




「か、和ちゃん?」




「なんともないの?何かされた?」





「だ、大丈夫だよ。」





「ぶはっ。二宮がそんなに焦る顔
初めて見たわ!」





櫻井さんが百合さんを抱きしめながら
指を指して笑っていた。




その声に我に返った和ちゃんは
少し恥ずかしそうに
周りを見渡した。




泣き疲れ櫻井さんの腕の中にいる
百合さんに、こんな中でも
眠り続けてるまーくん。




「じゃ、俺は百合連れて帰るわ。
二宮、あと頼むな」



「あなたに言われなくても」



少しふて腐れた表情をみせる




「大事な大事なお姫様を巻き込んで
悪かったな…」



和ちゃんの耳元で櫻井さんが
何か囁いていったが
私には聞こえなかった。




そして、櫻井さんたちが
部屋を出たあと
もう一度、今度は優しく
抱きしめてくれた。


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「よく頑張ったね。こんなに震えて…
怖かったね。」




和ちゃんの腕の中は
安心する。




そっと唇が触れ
軽いキスが繰り返される。




「んっ…」










「姫の大切な人は、和だったんだ」
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いつの間にか目を覚ました
まーくんがベットからこちらをみて
ニヤニヤしていた。



「ま、まーくん。」


見られてたっ⁉︎
恥ずかしくてみるみる赤くなる頬を
両手で隠した。



「そういうこと。
もう優姫に手ぇだすなよ」




「え?和ちゃんまーくん起きてたの
知ってて⁉︎」


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「俺のもんだって、教えとかなきゃね」



嬉しいやら
恥ずかしいやらで
言葉が出なかった。