気づけば、いつも隣にいて、
笑顔を向けあっていた。
心から楽しんでいるのは
2人の表情を見ればわかった。
ライバルであり、同志であり。
時に、周りのざわめきに飲み込まれそうな時でも
いちばん理解し合える関係に見えた。
なぜなら、崖の上で行われる闘いの場に
立てた者は限られているから。
その厳しさ、極限の緊張感を
知っているというだけで
お互いに特別な存在なのだと思えた。
そして今、新たな道ができた。
それぞれが進む方角は違い、
道は離れていくように見える。
けれど、スケートを愛している限り、
いつかどこかで合流するかもしれない。
私はその交差点に立ち、
特別な瞬間を見届けたい。
そんな夢がまた生まれた。
この旅立ちに彼が贈った言葉に、
安堵と希望を感じながら。
いつか、彼らがじっくりと
語り合う日が訪れますように。
ふたりで、飽きるほど話して、
笑い合う日が。