ちっぽけな自分ーー。
きっと本心なのだろう。
謙遜でも卑下でもないのだろう。
そんなことはない、という言葉を
欲しがるわけもなく。
こんなちっぽけな自分だから、
どうせダメ、期待しないで、という態度なら、こんなにも惹かれなかった。
こんなちっぽけな自分だから、
これからもっと強くなれる!
今がいちばん上手いのだから、
さらに高い壁に挑もう!
そんな熱さを感じたから
こんなにも惹かれた。
「足るを知る」ではなく、
「足らない」を知ることに貪欲だ。
その強い欲求が彼を突き動かす
エネルギーの源なのかもしれない。
だから、
彼は諦めない。
できないなら、できるまでやる。
手に入らないのなら、
手に入るまで努力する。
掴んだら完全に取り込んで
昇華させていく。
でも思う。
時には、諦めてもいいのに、と。
キャパオーバーになる前に、
いくつかの荷物を下ろして。
色褪せたものは手放して。
これからもっとずっと高みへと
上昇していくために。