何度でも。 | Festina lente!〜悠々として急げ〜   

Festina lente!〜悠々として急げ〜   

日々の希望は、フィギュアスケーター羽生結弦さんの存在。さまざまなこと。さまざまな幸せについて。

 

 

「今まで生きてきた中で、いちばん幸せ」

 

この1週間。

ゆづの口から出たその言葉を、上手く受けとめきれないでいた。

これまでも、アイスショーはいつも素晴らしく楽しかったし、

多くの試合では心から応援してきた。

ゆづの顔にも、幸せそうな笑顔や涙があったはずだ。

 

記録を塗り替える度に、ゆづの幸福度も塗り替えられていると、思い込んでいた。

 

その時々のことを思い浮かべては、結局、何もわかっていなかったのだ、と

とてつもない無力感に苛まれた。

 

でも、それが当然とも思えた。

なぜなら、彼の心が私たちファンにわかるはずもない。

もし、わかる気になっている人がいるとしたら、思い直したほうがいい。

それはただの傲慢な思い込みだから。

 

でも。

いまは、こう思う。

ゆづは、最大級の幸せを感じたことを表現したかったのだろう、と。

あの日が幸せだからといって、他の日がすべて不幸せというわけではない。

幸せの中にある順列。それをはっきりと感じたのだろう、と。

 

私自身、順列をつけるほど、幸せを感じたことはない。

(この気付きは、私を軽く打ちのめした)

 

だから、これまでの辛さばかりに思いを馳せるより、

ゆづが、今、幸せだなあ、と強く意識する瞬間を持てたことを、

まずは心から喜びたいと思う。

今回、これほどまでに嬉しそうで、楽しそうだったゆづの姿は

私たちにとっても特別だったはずだ。

 

2年ぶり、ということもあっただろう。

でも、それにも増して感じたことは、共演者との間にあった愛と絆だ。

スケーター、アーティスト、登場する誰もが自信を持っていた。

自分らしくショーを楽しんで、盛り上げて、仲間としての意識を持っていた。

自分は脇役、などと冷めている人は誰もいなかった。

 

ゆづが人気、そうだね。でも、自分たちも魅せるし、楽しませるよ!

 

そんな、一流の人たちならではの余裕と、プライドを強く感じた。

 

事実、どのスケーターにもアーティストにも感動をもらい、心の底から楽しんだ。

毎回ごとのスタンディングオベーション。

それは、私たち観客が気持ちを表現できる唯一の手段だったのだ。

幸せな想いのやり取りがそこにはあった。

 

だから。

ゆづがあそこまで自分をアピールし、サービスし、

弾けるように、身体全体で嬉しさを表現できたのでは。

誰にも遠慮はいらない。

この会場では、自分が大事に思っている人すべてに、ちゃんと愛が行き渡っている、と

実感できたからこそ、と思った。

誰よりも気を使う人だから、自分だけが特別扱いされるのは嫌だろう。

ゆづは、その他とされる側の哀しみも、妬まれる辛さも知っている。

だからこそ、オープニングからエンディングに至るまで、

愛をもらい合い、愛を与え合い、誰もが笑顔だったあの会場で、

ゆづが安心して幸せを感じられたと思うのだ。

それが、今まででいちばん強いものだったので、あの発言になったのかもしれない。

(もちろんこれも私の思い込み)

 

試合では、自分が勝てば、誰かが負ける。

リンクでは、独りの世界に入り込み、時に厳しい表情を見せるゆづ。

その勝ち方次第では、自分ですら心から喜べないこともあるだろう。

つねに完璧を目指すゆづならば、勝ってのんびりと幸せに浸る時間はどれほどか。

 

 

幕張、神戸、新潟、と3カ所、9公演あったファンタジーオンアイス。

リハーサルも含め、大好きな仲間たちと過ごしたたくさんの時間、

尊敬する人たちから受けた刺激、各地の会場で感じた熱狂。

そのどれもがスケールアップして、

2年ぶりのゆづを温かく満たしていったのかもしれない。

 

自分が好きな自分でいいんだ。

思うような道を選んで、突き進んでいいんだ。

自分への応援は、誰かから盗んだものではないんだ。

 

今回、そんな強い気付きがあったような気がして。

 

 

最後の挨拶。

泣いているような、笑っているような

溢れ出す想いに追いつかないような早口での言葉。

自分が愛されているということ以上に、

フィギュアスケートが愛されているという確信をやっと得られて

うれしくてたまらないように見えた。

 

正直に言えば、

もっと前から気付いてくれていると思っていた。

だから、あの発言でちょっぴり切ない気持ちになったことは内緒。

 

 

ゆづ。

私たちの応援の気持ちはちゃんと届いていると言ってくれたでしょう?

ゆづのおかげで、私たちは、フィギュアスケートが大好きになったよ。

ゆづを応援する気持ちも、他のスケーターさんたちを応援する気持ちも増え続けてる。

だから、安心して、好きな道を、好きなように進んでください。

振り向かなくても大丈夫。ずっと心だけは側にいるから。

 

 

「今まで生きてきた中で、いちばん幸せ」

 

 

これから何度でも、この言葉を聞かせて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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