点火系、燃料ポンプのセッティングが済んだので、インジェクションボディを取り付けます。

ここで想定外というか考慮外だったのがインジェクションへの配線、コネクタでした。
汎用品が売っていると配線コムとかいろいろ調べるも規格と型番までは分かったのですが、
少数の販売しているサイトはなく。
このインジェクションはケイヒン製でカワサキがよく使うのはミクニ製。
ケイヒンは少数派なのかあまり情報がなく苦労しました。

結局、個別コネクタは入手できなかったため、純正のメインハーネスを入手してコネクタのみ摘出するという手法で配線を構築。

ここでMAPセンサー、吸気温センサーを取り付けます。


エンジンライフのため、フィルターは取り付けます。


TMR-MJNはお疲れチャン。もう出番はないと思ったら緊急登板しちゃったけど。

 

 


取り付けが出来たら、セルを回すも始動せず。

プラグ見たら、めっちゃびちゃびちゃ、、完全カブったので新品交換。


点火マップは大雑把にいえば、車種ごとに大きな差はなく、始動時は10度ぐらい、最大進角で40~50ぐらいとセオリーがあります。
キャブならスロー40~50、PS1.5戻しとか大体アウトにならないぐらいの設定値がありますが、
インジェクションはそうはいきませんでした。
まあ、低回転は少な目、高回転は多めは当たり前ですが、
インジェクターは種類毎にMAX噴射量のスペックがあり、
燃料マップのデフォルトはこのインジェクターよりも噴射量が少ないスペック用なので同じ設定のまま使うと
1.5倍ぐらい濃い感じでした。


最初は始動するためのセッティングが分からず、車のバッテリを使って無理やり始動。
とりあえずエンジンは始動したけどなんか不規則にバラつく。


LINKの機能でテストモードがあり、インジェクターを空噴射させて見ると3番からガスが出てない。。。
まあ、4本使っていないインジェクターと交換。中古で未使用期間が長いの固着したかな?


インジェクション化して一番苦労したのは始動時のパラメータ。
キャブならチョーク引く、加速ポンプを数回使用でキュルボンですが、インジェクションはそうは行きませんでした。

始動時のパラメータは燃料マップを基本として補正マップが複数用意されていて
複数の組み合わせて加速ポンプの効果、チョークの効果と同等の動きをさせます。
これのアルゴリズムとパラメータの組み合わせとその効果を習得するのに時間が掛かりましたね。

LINK G4Xはセッティングソフト自体は日本語化されていて見やすい(専門用語が多いので意味不明が多い)ですが、
マニュアル・ヘルプは英語です。仕様として大差ない先代のG4+はマニュアルも日本語されていて可読性もよく理解しやすい解説も付いています。

G4Xと+のマニュアルを交互に見ながら理解を深めます。
こんな取りまとめの資料を作ってどの時点でどのパラメータを参照するのか分析します。

始動時のパラメータとログと空燃比系を見ながら何回も始動時の燃料噴射量を調整していきます。
冷間時の一発目の始動テストは一度始動してしまうとエンジンが熱を保持するので1日に1回か2回ぐらいしか出来きません。
何日も始動テストしながらパラメータを調整していきました。

始動テストしている内にタンクのガスもほぼ使い切り、、、リザーブ状態でメインタンクも軽々状態、あとはコレクタータンク頼り。
ここでなんとか始動性が実用できるようになったので、帰りは押して帰るのを覚悟で試乗でガススタへ。
で、この記事です。

 

 

 

まあ、実走部分の設定は出荷状態だったので濃くて空燃比も10とか10以下(ワイドバンドセンサーでも測定できない)
になってしまうので走るのもやっとでした。
初期の燃料マップ設定はミクスチャーマップという機能がありこれを使いました。

LINKのパラメータに目標A/Fラムダテーブルというがあり各回転と各吸気負圧毎の期待する空燃比を設定しておくと
実走時のログと突き合わせて、乖離している部分をクリックすると燃料マップを目標値に近づけるように補正してくれます。

最初はひたすらログ取って、外れ値の部分をクリックしまくる作業で50点ぐらいで実走できるマップができました。
耐水ペーパーなら100番で削ったような状態、多少慣らされているけど凸凹です。
ここからひたすらいろんな場所、シチュエーションで走ってログを集めて凸凹を見つけて消していきます。

メインの燃料マップだけでインジェクターの噴射量を決めている訳ではなく、
水温センサー、吸気温センサーで補正を掛けているので、熱い昼間は走っても涼しい早朝は薄く過ぎたり。。。

乗る度に不具合を出して、不具合になるロジックを見つけて修正して試す、、こんな繰り返しです。
まあ、100点にはまだ1,2年は掛かると思うけどとりあえずAMDも奥多摩も黒部ダムも行って帰ってこれるマップです。

 

 


結果、当たり前の事ですが、インジェクションシステムはデジタル制御、
キャブはアナログ・物理的な現象を利用した制御。
キャブはある程度の設定である程度の緩さである程度の結果を出してくれていることに気づきます。
いい意味ですごいよね、これは。

インジェクションシステムのすべての結果はECUに設定したパラメータと決められたアルゴリズムで結果を出しています。
アルゴリズムは変更できないのでパラメータ通りにしか動きません。
1~10まで教えこまないとちゃんと動きません。

 

 

 

 


まあ、ニンジャのインジェクションシステムは動いたけど完成じゃなく、
ここからが始まりです。


「GPZ900RNinjaのインジェクション化」おわり。

















 

 

 

 

 




PS。

キャブ車をインジェクション化勧める??
→はい、勧めませんん!Www
 良質なキャブと点火システムが入手できるなら現状維持で十分です。

 良くなるか、悪くなるかで言えば、良くなります。
 現状の調整中の出来栄えでも燃費もレスポンス、乗り易さは確実に良くなります。
 パワーはエンジンの仕様を変えた訳ではないので上がっているかは不明ですが、
 体感では更け上がりの速度が以前より速いので加速性能は上がっているかもしれません。
 パワーフィルターが吸気抵抗になっていて本来のパワーが出せていないのはTMRの頃からの課題ですが。

 キャブで不具合、不便を感じないのであればそれ以上の物を求める必要はないと思います。
 得られるものは確かにありますが、コストと投じる時間の割に少ないかもしれません。