仁元堂のつぶやきにようこそ。

前回にひき続き、

動作訓練について

もう少し詳しく書いていきます。


九州大学を中心とした成瀬研究室で
催眠を使って脳性マヒの方の
からだの状態にアプローチする、
催眠と脳性マヒの研究が行われ、
「催眠による脳性マヒ者のリハビリテイションに関する研究」
を行いました。

1967年1月より、
8日間の集中訓練を
聖ルチア病院で行い、

3月後半には
現在のキャンプ方式で
10日間の訓練を行ったようです。

その後、
朝日キャンプ、
聖ルチアキャンプを重ね、

1972年に
「やすらぎ荘」が作られ、
キャンプが定着したそうです。
*参考図書*

 

 



その後、
催眠を使わなくても
動作の訓練ができた
というのは
前回書いたとおりです。

さて、動作法の前に(笑)

心理療法の理論の背景にある、
こころの図のことを書いてみます。

これって、
目に見えない「こころ」を
どう解釈するかっていう
とても難しいものです。

以前のセミナーで、
「こころってどこにあると思いますか?
ちょっと自分のからだの
ここかなーってい思うところを
示してみてください」
と、
目を閉じていただいた状態で、
していただきました。
その時の記事はこちら

 


そのまま目を開けていただくと
あらびっくり。

皆さん微妙に違う場所を
示しています。

頭あたりの手を置いている方と、
胸のあたりに手を置いている方。
からだ全体に手をひらひらさせている方。

概ね3パターンですが、
やっぱり、
こころがどこにあるのかわからない
そして、
少ない人数でも
共通認識がないんですね。

まず、
心理学の父フロイトのこころの図。

これは、放送大学の教科書から
引っ張ってきました。
(心の健康と病理,2004)

ちょっと歪んでいますが…。

これじゃあ、
何のことかよくわからないし、
どこにあるのかもわかりません。

次にユング。

これも、
もやっとしています。
画像ももやっとしていますが(笑)。
これも放送大学大学院の教科書
から引っ張ってきました。
(臨床心理学面接特論,2007)

見えないもの、
と言う前提ですね。

しかも、
これは抽象概念であって、
現実に即したものではありません。

因みに、
せっかくなので、
もう少しほかの
心の図を紹介します。

認知行動療法という
心理療法のこころの図。

この図は
研修会の資料を参考に
私が作りました。

ここには、
からだが出てきます。
でも、
からだと感情/気持ちは
ばらばらになっています。

もう一つ。

フォーカシングと呼ばれる
心理療法で、

この本に載っている図です。

 

 


ここにも人が出てきました。
どうやら、
悲しみは
まとわりつくようです。

でも、
悲しみや楽しいと思うこころは
嵐のようにやってきて、
去っていくわけではありません。

湧いてくる感じしますよね。
(注意:批判しているわけではありません
私には、
そう感じる、ということです)

さて、本題の
臨床動作法のこころとは、

「意図―努力―身体運動」
という、
こころとからだの相関として
捉えています。

意図は、
「いきる」という
シンプルなものです。

人(に限らず生きているもの)は
ひたすら生きるという目的で
生きています。

「いきる」は
よりよく生きようとします。
そして、楽であることが
大事なようです。

生きていくために、
お腹がすいた、
水が飲みたい
誰かと話したい

これが意図。

努力は
そのために
何をするか考えること
どうするかを決めること
そして、
行動に移そうとすること。

どこに食べるものがあるか、
どうやって手に入れるか、
誰かと話すには
どうしたらいいか。

これが努力。

そして、身体運動。
実際に
食べるもののある場所に行く、
そして食べる、
消化する、
栄養を取り込む、
排泄する。

水を飲む。
細胞が潤う。

誰かがいるところまで行く。
発話する。
その人とうまく話せるように
工夫する。

これが、身体運動。

これが「こころ」?

もちろん事態はもっと複雑で、
食べるためには
働かなくてはいけません。

働いて
お金を稼ぐためには
誰かと交流する必要があります。

そのお金を使って
生活用品を手に入れるのも
交流したり
行動したり
する必要があります。

要するに、
毎日の生活の中で
行われていること、
それを
どう行っているか

それが、「こころ」です。

つまり、
私なりの解釈をすると、
よりよく生きるという目的のために
周囲の環境に
自分の身体をもって
働きかけること。

これが「こころ」かな、
と思っています。

続きがどうなるか
まだ考えていませんが、
動作法の
基本的な考えを
まとめてみました。

また、
これ違うんじゃないの?
などのご意見・御指摘があれば、
よろしくお願いいたします。

今回はこのあたりで
失礼いたします。

ここまでお読みいただきまして
ありがとうございました。

ご意見やご感想など、
いただけると嬉しいです。

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