ネプチューン名倉のタイ人ネタについて | 旅の記憶のリハビリテーション
2008-09-19

ネプチューン名倉のタイ人ネタについて

テーマ:ブログ

9月18日放映の「フジ最強コント夢競演みんなでコント会議」という番組を観た。

ナベアツや、爆笑問題、劇団ひとり、その他いろいろといった売れっ子芸人がたくさん出てきて、

いろいろなコントをやる。北京オリンピックや、宮崎駿などのパロディなど、なかなか面白かった。


しかし、その中で、不快に思ったのが、ネプチューン名倉をタイ人扱いするギャグだ。

これは、この番組に始まったことではなく、もう以前からやってる定番で鉄板のネタみたいだが、

番組に出ている連中、そして制作スタッフ、テレビ局が明らかにタイ人を見下しているという構造が、気に食わない。


名倉の顔がタイ人に似ているから、タイ人扱いする。ただ、それだけだ。

別にひねりも何もないのだが、それが笑いになるというのは、どういうことなのだろう。


上記の番組での、ネタはこうだ。

セックス・アンド・ザ・シティのパロディで、ニューヨーク生まれの女たちが集まって、

バーで談笑している。芸人が金髪のかつらなんかをかぶっているのだが、一人だけおかしい。

何故かしゃべりがなまっている。そして、ムエタイのボクサーみたいな動きをしている。

最後は、パクチーパクチー(香草)とか言って終わる。

正確には記憶していないが、だいたい、そんな感じだった。


笑いっていうのには、時として毒が必要なのは分かる。

だいたい、私もブラックなネタが嫌いではない。

小学校の頃から、ファミ通の「ゲーム帝国」なんかを愛読していた。

(具体例がマニアックで恐縮ですが。他には「激烈バカ」を大学時代に読んでて女友達にドン引きされた)


ナベアツの、3の倍数ネタも人によってはブラックに写るらしい、

私はその意見を知るまで、まったくそのように思ったことはなかった。

(どうブラックなのか気になる人は、ネットなどで調べてみてください)


だから、見る人によっては名倉のタイ人ネタも、何も感じないのだろう。

というか、深夜放送でもない時間帯に全国ネットで流れているのだから、

一般的には、ただのギャグとして捉えられ、テレビ局ではそういう判断で放送されているのだろう。


しかし、この名倉のタイ人ネタはブラック・ジョークにすらなっていないと思う。

日本では、あまり露骨にそういうネタを一般に交わすことはないが、

諸外国では、人種ネタのジョークというのは、結構盛んなようだ。


それだって、劣悪なものや、程度の低いものがほとんどだろう。

しかし、一種の文化的な側面を反映しているものあるかもしれない。

その手のものに詳しくないので名言は避ける。


とにかく、このタイ人ネタは、名倉がタイ人に似ているってことが笑いになるっていう

レベルの低いものだ。

西洋人に似ている場合は「日本人離れした顔立ち」とか言って、褒め言葉になるのだが、

名倉の場合は、「日本人離れ」しているのにネタになる。

人種差別やアジア蔑視がその根本といえば、早いが、それ以前の問題な気がする。


タイ人に似ているって言っとけば、視聴者は面白がるだろうという番組出演者、制作サイドの

発想が、とにかく貧困だ。テレビの笑いでは、いったんウケると分かったネタは視聴者が飽きるまで、

くどいくらいに繰り返す。最初は、別に面白くないと思った人も、そうされるうちに、

「これがおもしろいんだ」と刷り込まれるに至る。

でも、みなさん本当におもしろいと思っているのでしょうか。


タイ人に似ているからウケる、といったギャグが鉄板ネタとして、

まかり通る社会。人種差別以前の程度の低さを感じてしまう。


でも、レイザーラモンの腰ふりネタは好きだったんだよな・・・。

あれに生理的嫌悪感をしめす人もいただろうが。