9月18日放映の「フジ最強コント夢競演みんなでコント会議」という番組を観た。
ナベアツや、爆笑問題、劇団ひとり、その他いろいろといった売れっ子芸人がたくさん出てきて、
いろいろなコントをやる。北京オリンピックや、宮崎駿などのパロディなど、なかなか面白かった。
しかし、その中で、不快に思ったのが、ネプチューン名倉をタイ人扱いするギャグだ。
これは、この番組に始まったことではなく、もう以前からやってる定番で鉄板のネタみたいだが、
番組に出ている連中、そして制作スタッフ、テレビ局が明らかにタイ人を見下しているという構造が、気に食わない。
名倉の顔がタイ人に似ているから、タイ人扱いする。ただ、それだけだ。
別にひねりも何もないのだが、それが笑いになるというのは、どういうことなのだろう。
上記の番組での、ネタはこうだ。
セックス・アンド・ザ・シティのパロディで、ニューヨーク生まれの女たちが集まって、
バーで談笑している。芸人が金髪のかつらなんかをかぶっているのだが、一人だけおかしい。
何故かしゃべりがなまっている。そして、ムエタイのボクサーみたいな動きをしている。
最後は、パクチーパクチー(香草)とか言って終わる。
正確には記憶していないが、だいたい、そんな感じだった。
笑いっていうのには、時として毒が必要なのは分かる。
だいたい、私もブラックなネタが嫌いではない。
小学校の頃から、ファミ通の「ゲーム帝国」なんかを愛読していた。
(具体例がマニアックで恐縮ですが。他には「激烈バカ」を大学時代に読んでて女友達にドン引きされた)
ナベアツの、3の倍数ネタも人によってはブラックに写るらしい、
私はその意見を知るまで、まったくそのように思ったことはなかった。
(どうブラックなのか気になる人は、ネットなどで調べてみてください)
だから、見る人によっては名倉のタイ人ネタも、何も感じないのだろう。
というか、深夜放送でもない時間帯に全国ネットで流れているのだから、
一般的には、ただのギャグとして捉えられ、テレビ局ではそういう判断で放送されているのだろう。
しかし、この名倉のタイ人ネタはブラック・ジョークにすらなっていないと思う。
日本では、あまり露骨にそういうネタを一般に交わすことはないが、
諸外国では、人種ネタのジョークというのは、結構盛んなようだ。
それだって、劣悪なものや、程度の低いものがほとんどだろう。
しかし、一種の文化的な側面を反映しているものあるかもしれない。
その手のものに詳しくないので名言は避ける。
とにかく、このタイ人ネタは、名倉がタイ人に似ているってことが笑いになるっていう
レベルの低いものだ。
西洋人に似ている場合は「日本人離れした顔立ち」とか言って、褒め言葉になるのだが、
名倉の場合は、「日本人離れ」しているのにネタになる。
人種差別やアジア蔑視がその根本といえば、早いが、それ以前の問題な気がする。
タイ人に似ているって言っとけば、視聴者は面白がるだろうという番組出演者、制作サイドの
発想が、とにかく貧困だ。テレビの笑いでは、いったんウケると分かったネタは視聴者が飽きるまで、
くどいくらいに繰り返す。最初は、別に面白くないと思った人も、そうされるうちに、
「これがおもしろいんだ」と刷り込まれるに至る。
でも、みなさん本当におもしろいと思っているのでしょうか。
タイ人に似ているからウケる、といったギャグが鉄板ネタとして、
まかり通る社会。人種差別以前の程度の低さを感じてしまう。
でも、レイザーラモンの腰ふりネタは好きだったんだよな・・・。
あれに生理的嫌悪感をしめす人もいただろうが。