今回はアメリカ合衆国出身のヘヴィロックバンド"TOOL"(トゥール)の2001年リリース3rdアルバム『LATERALUS』(ラタララス)をピックアップ。"ラタララス"という不思議な響きのアルバムタイトルは【Lateral thinking】(水平思考)と【Vastus lateralis】(足の外側広筋)を掛け合わせた造語と言われています。


このアルバムタイトルにしてもそうですが、基本的にトゥールの曲の歌詞は難し過ぎて頭の悪い僕にはよく理解出来ませんので「きっと、こんな感じの意味なのだろう..」と自分で勝手に解釈しながら和訳を読んでます。


それではアルバム『LATERALUS』収録曲から特にお気に入りの2曲をご紹介して行きますね。


まず1曲目はアルバムの冒頭を飾るトラック『THE GRUDGE』(ザ·グラッジ)です。【恨み】という穏やかでない意味のタイトルですが、楽曲全体のおおまかなメッセージは【恨みに囚われるな。そんな物は手放せ。】というポジティブなものみたいですね。


バンドサウンドと共に響く不気味なエフェクトだけでも1996年リリースの前作『AENIMA』(アニマ)との違いが分かる曲。バンドサウンド中心だったAENIMAに比べLATERALUSの方はデジタルサウンドにも比重を置いているようですね。


THE GRUDGEの演奏時間も8分強と相変わらず長尺で、静かな立ち上がりからじっくり時間を掛けて徐々に盛り上がって行く曲展開には手に汗握ります。楽曲終盤、"メイナード·ジェームス·キーナン"(Vo)の長〜い咆哮と共に怒涛のハイライトへと突入して行きますが、この辺りを聴いた時点で「あぁ、これは前作超えてるな..」と感じましたね。


2ndと3rdで人それぞれ好みの違いはあれど"音楽的な熱量"という部分ではTHE GRUDGEを聴く限り3rd『LATERALUS』が圧倒しているのではないでしょうか。とにかく破壊力抜群。力技でねじ伏せる"攻めのトゥール"を感じられる1曲ですね。

お気に入り2曲目はアルバム5曲目に収録されている『SCHISM』(スキズム)です。楽曲タイトルの"スキズム"は【分裂】や【分派】を意味するのですが、歌詞は勿論の事、音楽的な部分でもこの楽曲タイトルを物凄く上手く表現出来ている素晴らしい曲です。

アルバム収録曲の中でも比較的大人しめで、寧ろスピリチュアルな響きすら感じられる異質なヘヴィロック·ナンバー...。この曲を聴いていると脳筋体育会系のゴリゴリなヘヴィロックファンが「あんなのヘヴィロックじゃねえ!」とトゥールを批判する気持ちが分からなくもないですね。

トゥールは"変拍子"を多様するバンドとしても有名ですが、このSCHISMでも例に漏れず、11/8拍子や13/8といった変わったリズムが多用され、拍子変更が曲中に47回行なわれているそうです。(まぁ、僕なんぞはこの説明を聞いたところでよく理解出来ませんが..)

"お経"を思わせるメイナードの独特な歌い回しに変則的なギターやドラム。これらの音が絶妙な間で折り重なると、聴き手はまるでムカデの足の如く次から次へと"音"に追いかけられているような錯覚に陥ります。

ちょっと長めのスピリチュアルなエフェクトからハイライトへ雪崩込む楽曲終盤の展開も鳥肌モノ。その音楽性を【突然変異のヘヴィロック】などと形容されているトゥールですが、SCHISMがまさにその最たる例ですね。こんな唯一無二の個性を放つ変態曲はトゥールでなければ作れません。

そう言えば2005年にSCHISMのシングルDVDがリリースされていたけどあれも買っておけば良かったなぁ...。