
「嫌です」
「助けて〜」
叫び声が聞こえてきます。
前頭側頭型認知症の
Gさん。
髪の毛を切ろうとすると
嫌がって、暴れます。
もともと、
「助けてください」が口癖で
誰にでも言う。
大体の介護はいわゆる
「介護拒否」をするのです。
もちろん、その理由は
様々あるのですが、
それは置いといて。
髪の毛もずっと
伸ばしているわけにもいかず、
たまには散髪する必要があります。
ところが、髪の毛を切るのも
嫌がり、暴れます。
ハサミを当てていても
頭を動かし暴れるので
危ない。
切る方も切られる方も
毎回汗だくで、疲労困憊です。
「どうしようか?」
そんな相談がありました。
自分が何かされることに対し
恐怖や、嫌な気持ちになる。
要は、自分が何かされることに
意識がフォーカスされるから
怖い、嫌だ。
だったら、意識を別のところに向ければ
いいんじゃない?と言うことで、
サンドウィッチを食べながらの
散髪を提案。
これがうまくいったのです。
Gさんは前頭側頭型認知症なので
食に対するこだわりが強く、
食べ物大好き。
なので、食べ物に
意識をフォーカスするように
仕向けたのです。
私たちも、ケガをして
そこに意識がフォーカスしていれば
痛い気持ちになります。
でも、ケガをしていても、
美味しいものを食べていたり
好きな人と会っていたりすれば
その時はあまり痛みも
気にならないでしょう。
意識が別のところに
フォーカスされているからです。
その原理を利用しました。
Gさん、多少は嫌がりましたが、
それでも、以前よりはずっといい。
お互いに汗だくになることもなく
疲労困憊することもなく
散髪が終了したのでした。
Gさんは、サンドウィッチが食べれて満足。
床屋さんは、スムーズに散髪できて満足。
双方、いい塩梅となりました。