数十年前に借りていた家の
最寄り駅に行く機会があったので
記憶を頼りに住んでいた場所に行ってみた
駅までの近道
階段の左側は墓地
息子とふたりきりで
逃げるように引っ越した場所
駅前も街道沿いの商店街も
すっかり変わってしまっていたけれど
なんとか無事元の家までたどり着けた
なつかしかった
縁側があって、小さなお庭があって
心が壊れていた私を
どんなに慰めてくれたことか
隣に住んでいた大家さんも優しかった
帰りにまたこの階段を登っていたら
涙がこぼれてしまった
母のこと、弟のこと、息子のこと
不安だらけだけど
なるようにしかならないさ
気楽にいこう…