忘れないよ (2) | 完ぺきなママより幸せなママでありたいあなたへ

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妊婦検診はずっと順調だった。



一般的には、


胎動を感じるようになるのは、


妊娠五ヶ月あたりからと言われている。


私は四ヶ月の時すでに胎動らしきものを感じていて、


「この子は絶対男の子だ。」


と思っていた。


夫は常々、


男の子がほしいと言っていたので、


毎月の妊婦検診も楽しみでしかたなかった。








妊娠五ヶ月に入ると、


胎動はより一層頻繁に感じられるようになった。


毎日、


私のお腹の中で元気に動いている。


しかし先月から、


私は腹痛に悩まされるようになった。


もともとお通じがあまりなく、


腹痛はいつものことであったため、


気にもとめずに過ごしていた。







6ヶ月検診が近づくにつれて、


私の腹痛は激しさを増してきた。


特に階段を登ってるときや、


ノンを抱っこしたときに限って腹痛がおこる。






「…一応、次の検診で先生に言ったほうがいいかな?……」




私は若くして結婚したため、


まわりはまだ結婚しておらず、


すぐに相談できるママ友がいなかった。


知識もなかった。


私はおとなしく検診を待つことにした。









6ヶ月検診の三日前、


ノンが三歳の誕生日を迎えた。


三人でケーキを囲み、


色んな話をして盛り上がった。


「ノンはねぇ~、アカチャン妹だったらいいな!」


「…パパは男の子がいいなぁ…」


お腹の子が産まれてくるのを、


皆楽しみに待っていた。










六ヶ月検診は三人で行った。


この時も変わらず、


「順調です。」


と言われ、


安心して帰った。


私は家に帰る車の中で、


「そういえば腹痛のこと言うの忘れてたなぁ……ま、いっか…問題ないって言われたし……大丈夫だよね。」



そんなことをぼんやりと考えていた。











六ヶ月検診からわずか五日後、



私は朝から激しい腹痛に襲われた。



またいつものお通じかな?



と思ったが、



すぐに痛みがひいたこともあり、



わずかな出血など気にもとめずに、



この日もノンを連れて家を出た。



久し振りに、


隣町に住む母と一緒に買い物に出掛けた。


お昼頃、



やはり腹痛……



なんか変だな……



私はここにきてやっと異変に気がついた。



母に心配かけたくない…


いつも通り、


お昼を実家で食べたら、


家に帰るふりしてすぐに病院に行ってみよう……



実家でお昼を食べたら帰るのがいつものパターン。



しかし、



食べている間にもまた腹痛が襲ってきた。



なぜか、



これはヤバイ!



と感じた。





ダッシュでトイレに駆け込んだが、



プクーッと膨らませた水風船のようなものが、



股の間から出てきてしまった……!



とっさに、



「羊膜と羊水だ!」と直感した。



だが私はどうすればいいかわからず、



『ばーちゃん!、ばーちゃん!!』



とトイレから叫んだ。



母はビックリして駆けつけると、



私の姿を一目見るなり、



『あ、あんた!そのまま動かないでよ!今、救急車呼ぶから!!』



と、母はすごい剣幕で怒鳴りつけ、



電話が置いてある居間へと駆け出した。