男は足早にレンガ葺きの歩道を掻き鳴らす。
人気が少ない分注意を払って尾行しなければならない。
一体どこに向かっているのか見当もつかない。
カートランドは近からず遠からずの絶妙の間隔をあけ男の後ろをついて行った。
男の足早だった歩行ペースがいつのまにかゆっくりになっているのがわかった。
歩くスピードが徐々に落ち、やがて止まり頭が振り返った。
気付かれた!カートランドは反射的に顔を下に背け、まるで自分のコンプレックスを直視されてるような気分だった。
周りにはわたしと標的(ターゲット)しかいない!
少しでも怪しまれたら今後の調査に支障がでてしまう!
反射的に動揺した行動をとったことを悔やみ下唇を噛んだ。
しかしそれとは裏腹に、男はキョロキョロと辺りを見渡すだけで、再び歩き始めた。
カートランドはゆっくりと顔を上げ安堵の表情を浮かべながら、次いでその後を追った。