どーもーCurryでふニヤニヤ
 
前回のお話で
昔からいてくださる方のアイコンを見つけて
嬉しくて大泣きしてる…笑い泣きアセアセ
感謝感激ラブラブ謝謝謝謝ハート生きててヨカタキラキラ
 
ではいきまふデレデレ
 
お時間ある方、妄想苦手じゃない方
おいでやすちゅーちゅーちゅー
 
 
 
 
 
 
 
 
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どれくらい眠ったのだろうか
ふと目を覚ました私は
効いてきた頭痛薬のおかげからか
少しずつ落ち着きを取り戻しながら
ぼんやりと天井を見上げていると
玄関のドアが開き
誰かの歩く音が聞こえてきた
その足音は私の部屋の前で止まると
コンコンとノックをする音に変わった
ベッドから起き上がり
ゆっくりドアを開けると
そこにいたのは彼ではなく直だった
『直?どうして…』

『今日行くって言っただろ? 大丈夫なのか?』


直は心配そうに私の顔をのぞき込むと
思っていたより元気そうな顔色に安堵する





『様子見に来たら玄関開いててさ
 部屋で倒れてたらまずいと思って
 悪いけど勝手に入ってきた
 でも顔見て少し安心したー 笑
 やっぱり俺が無理させたせいで…
 ホントごめんな

『ううん
   直のせいじゃないし気にしないで
   私たちももう若くないってことかも 笑』





『私たち?俺はまだ若いけどな 笑
   …あ、そういえば電話した時
 寝言みたいなの言ってたぞ
 うなされてるのかと思って焦ったけど』

『あの電話 直からだったんだ
 あんまり覚えてなくて…
 寝言って… 私なんて言ってた?』





『出て行くとか行かないとか…
 そんな感じだったかな』

『…他には?』





『俺の名前…と言いたいとこだけど
 弟の名前呼んでた

『…そう…』





『……あのさ…』

『なに…?』





『…やっぱりこういうのって
 俺らしくないから聞くけど
 ○○の弟ってのは嘘なんだろ?

『…………』





『俺が勝手に弟だって決めつけたかもだけど
 違うなら違うって言えよな』

『…ごめん』





『…それでさ…』

『…うん…』





『…その…
   弟じゃないあいつのこと……好きなの?』
直は小さく低い声で聞いてきて

『…………』
答えられず口ごもってしまう





『俺にはホントのこと言えって
 好きなのか?そうじゃないのか?』

…………





『どうなんだよ』

『…だって…好き…って言ったところで
 どうすることもできないし…』





『答えになってない ちゃんと言えよ
 あいつのこと男として好きなのか?

『…………
   …………好き…』
観念した私は
直にとうとう白状する





『やっと言ったな』

『でも…
   ただ私が勝手に好きなだけで
   こんなの辛いだけだし…』
私がそう言って項垂れると
直は小さく咳払いをしてから
意を決した息遣いで言葉を続ける





…俺さホントは黙ってようかと思ったけど
 やっぱフェアじゃないから言うわ
 プレゼンの手伝いしてもらった日の夜
   ○○を迎えに来たあいつに会ったんだよ
   でもムカついたから追い返してやった
 まったく大人げないよな
   年下相手にムキになるなんてさー 笑
 …でもそれで気づいたんだよ
   いやホントは前からわかってた
 あいつは弟なんかじゃないし
 男として○○のことが好きなんだって』

『…そんなわけない
   だって私といくつ違うか知ってる?
   こんなおばさん好きになるとか
   あるわけないじゃん…





『年を理由に逃げてるなら俺にしたら?
   でもそれじゃだめなんだろ? 
   ○○は酷だよなー』

『それは…ごめん…』





『謝るなって
 結局○○はどうしたいんだよ

『…正直…わかんない』





『じゃあ俺が決めてやる
 あいつにちゃんと気持ちを伝えて
 それでだめだったら
   また俺のとこに戻ってくればいい』

『…………』





『お前らしくいけって』
直は真剣な瞳でそう言い

『直…ありがとう…』



私もやっと

後戻りできない覚悟を決めた








































俺はできるだけ平気な顔をしながら
○○に見送られ玄関を後にした

初めて会った日から一目惚れをした俺は
誰にも渡すものかという
密かな強い独占欲を隠しつつ
○○のそばにいつもいた
付き合うようになるまでに
長い時間は必要なく
俺たちはすぐ空気のような存在になった
そんな気楽な関係になりすぎたからなのか
結婚と恋愛は別物だと決めつけたからなのか
親にせがまれるまま見合いをしていた俺は
いつの間にか
○○と距離を置くようになった

別れた理由も未だにはっきりしない
そんな曖昧な関係が続けば続くほど
不思議なことに
○○を好きな気持ちは変わらなくて
いつでもやり直せる自信があった
正直今だってそう思ってる 思ってた
それなのに
車に乗り込む寸前に
暗い顔をして座り込むあいつを見つけた時
見なかったことにはできなくて
俺は近づいて不躾に聞いてみた
『なぁ お前って○○のこと好きなの?』

『…………』





『黙ってるってことは好きなんだな』

『……好きです…』





『そうか… でも俺の方が○○のこと
   幸せにできるはず…』

『…幸せかどうかは
   ヌナ自身が決めることだから』





『生意気だな 笑』

『…すみません』





『でも俺 お前のこと嫌いじゃないんだよな
   イケメンだしなんか真っ直ぐだし…
   多分そういうとこが羨ましいのかも』

『…………』





『でも覚えとけよ
   半端な気持ちで○○のこと泣かせたら
   いつでも奪いに来るから

『…じゃあヌナと結婚は…』





『俺はしたかったけどな 笑』

『…………』
車に乗り込みながら
なにも言わない代わりに
深々と頭を下げるあいつの姿が
頭からなかなか離れない
プレゼンが成功したら
今度こそ本気で結婚しようと思ってたのに
まさかあいつに負けるなんて
根拠のない自信と勝手な思い込みのせいで
一番大事にしたかった人が
手のひらからこぼれ落ちていく
そんな現実を
受け入れられないと言ったところで
○○が俺の元へ戻ることはなさそうだし
今度ばかりは
諦めなきゃいけないみたいだな…






























直を見送った後
彼が部屋から出てきたら気持ちを伝えよう
そう決心して
リビングのソファに座ったものの
時計の針が夕方から夜になっても
彼が部屋から出て来る気配はなかった

仕方なくテレビを観ながら



<次のコーナーが天気予報だったら…>



<このクイズの答えがペンギンだったら…>



<あと5分したら…>



彼の部屋をノックするきっかけを

自分ルールに当てはめようとするけど

時間が経つとともに

やっぱり私の決心も揺らいできて

言わないでおこうかなとか

言ったところでどうするのよとか

言わなくてもいい理由を必死に探す


『私ってホントだめなやつ…』

何度目かのため息をついた時


『ただいま…』

玄関のドアが静かに開いた






『え、出掛けてたの…?』


『…ちょっと散歩に出てました』






『なんだー
   私 出掛けてたの知らなくて
   ずっとここで待ってて馬鹿みたい 笑』
張り詰めていた気持ちが
少しだけ解かれる

『待ってたんですか?』






『あー…待ってたというか…』

『なにか用でしたか?』





『用って…その…』

『…………』





『…………』

『…………』





『…引越しの…
   そう 引越しの準備は
   どうなったかなーって気になっちゃって』

『…あまり進んでません』





『じゃあ私も手伝う…』

『ずっと考えてたんです
   ヌナが言った
   僕が出ていくことが寂しいって
   それってホントの気持ちですか?』



視線を合わせないまま

彼が唐突に聞いてきて

その声のトーンに

私もちゃんと答えなきゃと思った






『…うん…ホントよ
   できることならこのままずっと
   一緒にいられたらいいのにって思ってる』

『ずっと一緒…に?』






『……ちゃんと言うね』
私は頭の中で冷静に言葉を選びながら
大きく息を吸い込むと
彼を真っ直ぐに見つめた
この一言で彼との関係が崩れようとも
直の為にも
自分の為にも
素直に告白しなければいけない気がした

『あのね…私…』





『ヌナ…待って…』

『え…』





『…さっきあの人が
   ヌナの部屋に入っていくのが見えて…
   邪魔しちゃいけないと思って
   そのまま出て行こうとしました』

『…………』





『…でも挨拶もしないで出て行くのは
   ヌナに申し訳なくて…』

『…………』





『…でもやっぱり戻りづらくて
   家の近くで座り込んでたら
   あの人がやってきて 話を…』

『話…ってどんな?』





『ヌナのこと好きなのかって聞かれました』
伏し目がちにそう言う彼の

『…君は…なんて答えたの…?』
次の言葉を震える心で待つ私





『…好き…と』

『…………』





『ヌナ…』

『…………』





『ヌナ 僕はあなたが好きです』

『…………』





『…………』

『…………』





『………ヌナ…?』

『…………』





『ヌナ…大丈夫ですか?』

『…大丈夫…じゃないよ…』
私は絞り出すようにそう言うと
床にへたり込んでしまった
腰を抜かすとはこういうことなのかと
身をもって実感しながら
心配そうに寄り添う彼に支えられ
何とか立ち上がる





『…力入んない…』

『ヌナここに座って』
促されるようにソファへ座ると
コップに注がれた水をゴクリと飲んだ
冷たい水が喉を通っていく感覚と
規則正しい時計のカチカチという音と
優しく重ねられた彼の手の温もり
それらが
だんだんと私を落ち着かせてくれた





『ふぅ…もう大丈夫』

『…………』





『…ヌナ』

『なに…?』





『ヌナ…』

『…はい…』





『ヌナ 好きです』



せっかく落ち着き始めた私の心臓は
彼の真っ直ぐな優しい眼差しと言葉で
また忙しく高鳴り始めてしまった










続く……

 

 

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画像お借りしました♡