食事中は無言

日常も人間べらべらしゃべるものではないと父親に言われて育った

父は東京育ち、二度目の母親に馴染めなかったのか貸家の家賃を集金しては荒れて波止場で喧嘩などなど、最後は勘当され流れついた地で親子ほど年の離れた母と結婚

体を壊した父は母と元日から喧嘩をしていた。

生活が大変だったのだと思う。

小学校後半だったか父親の吸いかけの煙草を隙見て吸ってみたけれどなんでこんなにまずいものを美味しそうに口にするのか不思議だった。大人になり友人は煙草を吸い始めたが私はあの経験から吸いたいとは思わなかった。

喫茶店に入ると煙草のけむり

駅のホームでもたばこを吸う大人

歩きながらも煙草

灰皿もあちこちにあり

当時夫も煙草を吸い始めていた

どちらかといえば無口な人

夫も私も思ったことをすぐ言葉にすることは少なかったと思う

昭和という時代は男の威厳で煙草を口にしたのか

女の下向きさが煙草に惹かれたのか

時代の流れの中に煙草の煙と匂いが漂っていた。