私が高校三年生の時 姉が三枚で五十円という

超お得なパンツを買ってきて得意気に一枚くれるというので
私はそのおニューのパンツを履き
爽やかな気分で学校へと

自転車を走らせました。なにをしても面白い年頃

教室で友人何人かと座って雑談していた時 大口を開けて

後ろにのけぞって笑った瞬間何やらプツンという感じと共に

ウエストあたりがスーとした。とたんに気持ちも冷め

椅子から立つことも出来なくなったため

仕方がなく友人達に姉が三枚五十円の

パンツを買ってきたこと、一枚もらって

はいてきたことを打ち明けた。

一度も洗っていないのに笑っただけでゴムが切れたなんて

納得できないと言うと友人たちは大爆笑

休み時間私がゴムの切れたパンツの前を

制服の上から抑え、友人一人が後ろを制服の上から抑え、

さらに途中で落ちたら大変と

私の周りを他の友人二人が囲んで

クラブの部室へと向かったのです。

私の心情をよそに友人たちは

実に生き生きとして楽しそうでした。

部室に入りゴムを直すため椅子に掛けたが

入口が見つからないという。皆で覗くと

裏表にはいていた。友人達は手をたたいて大喜びだった。

ともあれ滞りなくその日の授業を受けられたのは

友人たちのお陰でした。何十年たっても

安売りのパンツの話が出ます。特に裏返しに身に着けていたことが

お気に入りらしく、必ずオチにつけてきます。

「芸能人は歯が命という」コマーシャルがありましたが

パンツはゴムが命ということを貴重な経験の末認識しました。

懐かしい友人たちの笑顔の影には、私の乙女の恥じらいがございました。