癌サバイバー 闘病記⑬
夏になる前に重粒子線センターの治療も終わり、その後の主治医の検査、診察でも異常はなくその年は暮れて行きました。
年末頃から、異様に眠気が出てきました。ひどければ1分の内に3回くらい、あくびが出るのです。お酒もだんだんとほしくなくなってきました。
翌年、2月のCTと血液検査で異常が出ました!
昨年の重粒子線センターでの治療した所は異常なかったのですが、今回は骨盤(恥骨)に腫瘍が出来ていました。
主治医は「これは厳しい・・・・」
翌週に再度、重粒子線センターへ行き診察を受けました。医師の言うには「骨盤にありますが、肺にもあります。」
極小さいのが3つ指摘されました。この場合(2か所)複数転移性の腫瘍がある場合は保険適用にならないので、肺の腫瘍を先に治療すれば、骨盤の腫瘍を保険適用で重粒子線治療できる。との事でした。訳が分かりませんでしたが、厚生省の規定ですので従うのみです。
主治医にこの事を伝えると、では抗がん剤治療で肺の腫瘍を治療しましょう。となりました。
「ユーゼル」を処方されました。「何かあったらすぐ連絡してくださいね」主治医からそう言われていました。
抗がん剤はしんどいもの。という先入観がありましたので、飲み始めて1週間、何の変化もありません。しんどくなるのかな?と思っておりましたが何も変わってきませんでした。そして、3週間目に入った頃からだんだんと、食事が食べたくなくなってきました。3週間目の後半になり、全く食欲がなくなり、体がだるく仕事もできなくなりました。これはただ事では無いと病院へ・・
原因は、抗がん剤による急性腎不全。も少し遅れていれば、人工透析になるところでした。
これ以上抗がん剤治療はできませんでした。主治医はいろいろ考えてくださいました。この小さい肺の腫瘍に抗がん剤治療以外の治療方法として放射線治療があるが、小さすぎてこの病院で、できるかどうか、放射線の先生と相談するとの事。3日ほど入院して、次の診察の時に医師から「阪大病院で放射線治療してくれるが、どうします?」即答で行きます。
この病院の放射線の先生(女医)のご主人が阪大病院の放射線の先生でした。ご主人にこんな症例の人がいると話して下さったら、阪大病院でしようという事になったらしいです。
阪大病院に予約を入れてもらい、1ヶ月くらい後に初めて阪大病院に行きました。