癌サバイバー④
年も明け、3月だったと思います。
術後の人工肛門を閉鎖してもとの肛門につなげる手術をする時期に来ました。
医師からは「簡単な手術で、2時間くらい。これまでに何度もしている」と説明を受けておりました。
手術前日、昼ご飯を娘と孫と家内でとりました。そして病院へ。入院。
翌日、手術を受けることに、緊張することも無く手術室へ・・・。
2時間では終わらなかったようですが、手術は無事終了。ICUへ。
麻酔が覚めて、さほど痛みも無く無事に終わったようです。人工肛門も無くなっていました。
翌日から、おもゆから3分がゆ、5分がゆと食事を取っておりました。
3日目くらいに、医師が「ガス、出ました?」と聞くのでオナラの事だと察知して
「いえ、出ません」
「おかしいな?」と医師が首をかしげました。
それから回診のたび、同じことを聞かれましたが、一向にガスは出ませんでした。
医師が首をかしげた理由がそれから3日後にわかりました。
私は全く覚えがないのですが、意識がなくなったのです。
術後、5日目だったと思います。
それから3週間くらい(私は全く覚えておりません。家内に聞いた期間です)で気が付きました。
私はその近辺の記憶が全くありません。
術後5日目くらいからお腹が痛いと言っていたらしいです。
意識が無くなった夜に緊急手術になりました。
人工肛門を閉鎖する手術の際、腸がかなり癒着していて剥がすのにかなり縫合したらしく、その
縫合がうまく行かなかったらしく、縫合部分から食事で採ったものがお腹の中に出てしまっていたようです。
これが「腹膜炎」
その後緊急手術がもう1度行われました。その際、家内は医師から助かる望みは3割。つまりは、ほぼあきらめてくれ。
でも、手術の同意書にはサインしてください。と。サインしないと手術できない。ほっといたら死ぬサインせんわけにいかんかった・・。
つまり、私はもう1度死んでいるのです。
私には、今までから今でも霊感は無いと思っています。
意識の無い間に見た夢をお話ししたいと思います。
これをお話しするには、私の歩んできた人生も少しお話いたします。
貧乏でしたが、高校・専門学校へと行かせていただきました。
一応、就職はしたのですがサラリーマンには適応できず、学生時代のアルバイト先の酒販店に再就職いたしました。
そこで一生懸命仕事をしておりました。
24歳の時、取引先の方(地元の議員)から親戚に年頃の姪がおるのでお見合いはどうや?と勧められました。
勤め先の社長(同じく議員)も良く知ってましたのでお見合いをいたしましたところ、話がトントン拍子に進み結婚となりました。
ここで、霊感の話に戻ります。
夢で一番に、はっきりと覚えているのが出てきた人です。
最初に出てきたのは、私の父(故人)です。もう10数年前に亡くなっています。ニコニコ笑って何にも言わないのです。
次に出てきたのは家内の父(故人)もう10数年前に亡くなっています。むつかしい顔をして睨まれました。何も言いません。
次に出てきたのは二人、どちらが先かは覚えておりません。
務めていた店の社長(故人)です。
家内の母方の祖父(故人)です。
共にひと言どちらが言ってくれたのかは記憶にないです。
「何しとるんじゃ!」
「しっかりせんかえ!」
でした。この二言で気が付きました。ICUのベッドの脇に家内の母がいてくれました。
今、思い出しながら、涙が出てきます。