有機なのに農薬? | バラのお話

バラのお話

1998年 福島県須賀川市でバラ農園をはじめました。
農家は研究開発型の仕事だと言う信念で
とにかく、毎日を実験しまくっています。
バラの育て方の方法を色々と書いていきます。
もっといい方法があれば、コメントください。
ありがたいです。

これは 春の景色ですが

 

涼しくなってきたら

 

秋のぼうしがけの 季節です。

 

 

 

にこにこバラ園では 食用として バラを

 

売るために 化学農薬を使うわけにはいきません。

 

 

食品衛生法に 抵触しますので。

 

 

でも 無農薬って 何?

 

と 時々 思います。

 

 

植物は 自分を守るために 他の生物をやっつける

 

毒(抗生物質) を作ります。

 

 

カビや虫を 抑制する L-メントール(ハッカ) や 

 

桂皮酸(シナモン)などは有名ですが 他にも 植物は

 

他の生物から身を守るために いろいろな二次代謝物を

 

作ります。

 

 

 

それらは結構 人間に毒性を示すこともあり

 

例えば かびの生えたセロリは

 

カビを抑制するために フマノクマリン という毒を

 

いっぱい作ります。

 

 

これは人間にも効きます。

 

 

 

レタスは 化学農薬で 虫を抑えてあげたり 

 

カビを殺してあげていると 自身の 二次代謝物生産量は

 

減るので( レタスも楽したいですから )

 

 

 

無農薬畑で 採れた レタスより アレルギーを起こすような

 

物質が 少なくなるということも 知られています。

 

 

 

農薬は危ない と思い 無農薬にしたおかげで

 

かえって 生物自身が出す 毒に当たることがあるのです。

 

 

 

そのへんは とてもむずかしいですね。

 

 

 

人間は 色々なものを 発明していると

 

思いがちですが

 

 

薬(農薬にしても医薬にしても) を

 

植物から 発見して

 

適当に 人間や 虫に効くように 修飾しているだけです。

 

 

 

もともとは 植物自身が作っているものなので

 

どこからが 農薬なのか その野菜自身の化学物質なのか

 

その

 

線引きは どのへんにあるのか

 

非常にわかりにくいです。

 

 

そのため

 

除虫菊エキス(ピレトリン)は 有機農薬に使えるけれど

 

それを 修飾した ペルメトリン は化学農薬になります。

 

 

放線菌から 絞り出された スピノエースは

 

有機農業に使えるけれど それを人工的に作った

 

ディアナは 化学農薬になります。

 

 

その線引きで 良いのか?

 

とおもうこともありますが

 

そうなんだから 仕方がないのです。

 

有機か どうかは

 

もとが 自然物かどうかで決まります。

 

 

 

自然物でも 毒を含んでいるということは

 

覚えておくべきことだと思います。

 

 

トリカブトも 天然物ですから。