近所のいつものコースを歩く傍ら
田んぼの土手に顏出している花たちの笑顔が美しい季節です。
ホトケノザ、カラスノエンドウ、ムラサキサギゴケ、ヒメオドリコソウ
オオイヌフグリ、キバナツメクサ…etc…お馴染みの顔ぶれにひときわ、
ビタミンカラーが元気をくれるタンポポたちもキラキラと温かな日差し
浴びていました。
「囀りに色あらば今瑠璃色に 西村和子」
俳句歳時記より
鶯の声に混じって朗らかな小鳥の声が春の彩りを添えて、
るり色が見えそうな五七五の調べにうっとりします。
そしてまた、ブラウニングの詩を想う時です。
この詩を読むと知らずと元気になります。
春の詩 ~春の朝(あした)~ | 今日の風に勇気をもらって (ameblo.jp)
すべて世は事も無し。なんとでもなる。だいじょうぶ。ケセラケセラ。
…。
宙を舞う花びら、水面を流れる花びら。
流れている季節の途中で、ほんのしばらく歩みをとめて、むかしむかしの
祖先から受け継いできた眼差しで花を愛でている「今」の私たちが
ここに居るのだと桜を見上げるたび思うのです。
桜の根元にも花は咲いていて、花たちも大きな樹木を見上げていました。
「桜蘂降る一生が見えてきて 岡本 眸 」
これも心のアンテナに留まった俳句でした。
ところで、今、文庫本3巻目を読書中なのでした。
池波正太郎・著「真田太平記」全12巻もある長編です。
時代・歴史小説にはまって数年が経ちます。
母の本棚がきっかけだったのですが、次から次へと読みたい本が
出てきました。
大河ドラマでは「真田丸」が2016年に放送されて、
そのブームには乗り遅れましたが、図書館の棚には全巻揃っておりました。
なにより、1巻目から、最後まで読めるかと不安だったのですが、
作者の親しみの感じる文章、現代の駅名などの紹介文も織り込まれていて、
「上田城」を訪ねてみたいなどと「旅心」さえ灯されていきます。
一庫公園の高い場所から見下ろすダム湖にも春の訪れを存分に感じました。
実家からも近いここは、県立の広い公園が広がっていて、母や友人たちを誘って
ランチタイムなどに時々、遊びに来ます。その日も仲の良い友人たちと
午後からの遅めのランチ、散策となりました。
そうそう、本の話をもう少し。📚
読書の行方は思わぬきっかけから思いもかけない一冊へと
繋がっていく面白さ。母の本棚に藤沢周平や葉室麟がなかったら
ここまで時代・歴史小説を読むことはなかったかもしれない。
母が本当に嬉しそうに、幸せそうに「面白いわぁ、この人の本」と
言っていたのを耳にして、私の気持ちは反応してしまったのです。
また、「真田太平記」の文庫本の近くでたまたま見つけた一冊も
読みたかった本だったのを思い出して借りてきました。
心にメモしていた読みたかった本の背表紙を偶然に見つけたら
ちょっと得した気分になりますね。
今年も惜しまれつつ桜散り、風景は新緑へと動いていきます。