お盆休みの間、体調を崩したこともありどこにも行かず。
暇だったのでLightroomの「スーパー解像度」という機能を試してみました。

きっかけはキヤノンのEOS R1とR5Mk2に搭載されるという、カメラ内アップスケーリング機能。

同社の現像ソフトであるDPPのプラグインとしてサブスク提供しているNeural Network Upscalingをカメラ内に搭載したということのようです。

出力がJPEG/HEIF、TIFFといった汎用フォーマットのみということもあって、基本的には速報性が求められる報道やスポーツ系プロ向けの、納品作業を効率化するツールなのでしょう。

ただキヤノンがカメラ内に搭載したことによって、高画素不要論がチラホラもれ聞こえてくるのも事実。
公式サイトでも作品展などの大判出力にも対応できるって書いてありますし。

ソフトの機能としてはLightroomにAiノイズ除去とセットで搭載されている「スーパー解像度」がこれに相当すると思うのですが、これまであまり使ったことはありませんでした。

ノイズ除去については、それなりに効果があることは確認しているのですが、残念ながらスーパー解像度と同時には使えないのです。

それが使わなかった理由の一つかな。

本当に使える機能なのだろうか?
そこで一度試してみることにしたというわけです。

今回試してみたのはこのデータ。



今年の5月に鷲羽山第二展望台から撮った瀬戸大橋。
Z8にZ28-400を取付け、28mm広角端で撮影しました。

適用は簡単。
画面上でマウスを右クリック。



表示されたプルダウンメニューから「強化」を選びます。

すると、次の画面が表示されるので、ここで「スーパー解像度」にチェック。



強化ボタンを押すと新しいDNGファイルが作成されます。
解像度は縦横共に2倍、画素数は4倍ですね。

元データが8256×5504の45.4MPなので、新しいデータは16512×11008、181MPにもなってしまいました。
一般的に人間の目の解像度と言われている数値と同じですが、データサイズも54MBから236MBに。

正直現実的なデータサイズではありません。
これもこの機能を使わない理由の一つです。

さて、この写真の中央部分を拡大して比較してみましょう。

まずは元画像。



分かりやすくするために800%まで拡大表示にしています。
拡大率が高いのでジャギーが目立ちますが、そこはご容赦を。

次にスーパー解像度を適用した画像。



ほぼ同じ範囲を表示させています。

実質的に4倍の解像度になっているので、拡大率も400%。
当然と言えば当然なのですが、明らかに違いがわかります。

エッジが引き締まり、形がはっきりと認識できるようになりました。
堤防の石の形もはっきりとわかります。

最後に、元画像をPhotoshopの画像解像度で縦横2倍に拡大したものがこちら。



画素数はスーパー解像度と同じです。
こちらも拡大率は400%

ジャギーは目立たなくなりましたが、画像のぼやけ方は元画像と同じ。
これらを比べてみると、やはりスーパー解像度の効果は大きいことがわかります。

でも現実的に、これをどう利用すればいいのかというと、答えに困ってしまいます。
大幅にトリミングが必要というような場面に限られてしまうのかもしれません。

また画像によっては偽色が目立ってしまったり、モアレのようなものが出たりとか。
逆に品質を下げてしまうようなこともありました。
いくらAIとはいえ、まだまだ完全ではないということですね。

改めて、より高画素のカメラが欲しくなってきちゃいました。

180MPとは言わないけれど、せめてその半分、90MPクラスの製品がでないかなあ。
どうです?ニコンさん。

でもソフト、特にAIの分野は進化が速いですから、いずれはあっと驚くような機能が搭載されることになるのは間違いありません。


それが写真と言えるのかどうかは別として…

 

 

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