日吉ダムから山道を走ることおよそ30分、次の目的地に到着しました。
美山「かやぶきの里 北村」
由良川に面して開けた山間に、江戸時代から明治時代にかけて建てられた茅葺の家屋が多く立ち並ぶ、日本の原風景ともいえる景観が残っています。
1993年に周囲の水田と山林を含む集落全体が、国の重要伝統的建造物群保存地区として選定されました。
手前に広がっているのはそば畑。
このときはもう収穫が終わった後でしたが、秋口には一面にそばの花が咲いて、それはもう見事なものです。
この地区のユニークなところは「かやぶきの里保存会」を立ち上げただけではなく、建造物の維持管理や観光施設としての運営を組織的に行なうために、住民自らが出資者となる会社組織「有限会社 かやぶきの里」を設立していること。
最初の写真にもあったこの大きな建物。
これはお土産などの物販店とお食事処なのですが、これらも有限会社の運営です。
由良川沿いに立つ重要伝統的建造物群保存地区の案内板。
この建物は情報発信館。
由良川の対岸には茅葺を葺き替えるための茅を育てる茅場まであるんですよ。
あの赤ポストのあるところが集落への入り口です。
すでに先客も何組か来ているみたいですね。
僕たちも集落に入りましょう。
これが先ほどの赤ポスト。
横の建物は集落の公民館なんだそうです。
いきなり見事な建物が。
家の中が暖まってきたからでしょうか、茅葺の屋根から湯気が上がっています。
こういった、作り物ではない、実際に生活が営まれている感じがいいですね。
美山の建物は北山型と呼ばれています。
外観上の特徴は入り母屋作りの屋根。
そして屋根の上には木材で千木と呼ばれる装飾が施されており、千木の上に雪割が載せられています。
冬は豪雪地帯ですからね、このあたりは。
こちらはお地蔵さん。
この前を通る道は若狭から京都を結ぶ「鯖街道」の一つなのだそうです。
さらに奥に入ると、なにやら家の前に小さな小屋のようなものが置いてある家がありました。
放水銃と書いてあります。
ああ、これは消火設備。
茅葺の屋根は燃えやすいですから、どこかで火事があれば一斉放水して延焼を防ぐようになっているのです。
確か白川郷にもありました。
設備の点検などもかねて、毎年5月と12月に一斉放水が行なわれるのだそうです。
実は僕たちが訪れた二日後がその日でした。
う~ん、残念。
きっと大迫力なんでしょうね、ぜひ一度見てみたいものです。
写真は美山町観光情報サイト、京都美山ナビよりお借りしました。
大勢の人が見学に来られるようですね。