ランチの後に訪れたのはこちら。
世界遺産にも認定されている三角西港です。
幸いにも一番近い第4駐車場に車を停めることができました。
駐車場のすぐ横からは天草五橋の1号橋である天門橋がきれいに見えます。
まずはここで記念写真を。
ここは世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成要素。
また当時の国家プロジェクトであった三大築港(野蒜港、三国港、三角港)のなかで港湾施設が完全に残っている唯一の場所でもあります。
見所はやはり護岸の石積埠頭。
近くの山から切り出してきた安山岩を、天草の石工が一つ一つ手作業で仕上げた石が積み上げられています。
総延長は800m近くあるそうですよ。
途中にはこういった水路も設けられていました。
これは排水路と呼ばれているもので、手前の橋の辺りまでは常に水が満ちています。
ただそこから先はこんな感じ。
ここには満潮時にのみ水がたまるようにできているらしく、潮が引くとこのように海水は流れ出てしまいます。
干満差を利用した天然の下水道として利用されていたのだとか。
設計したのはオランダのムルドルさんという方。
当時の日本には上下水道というインフラもあまりなかったでしょうから、そういう環境の中で自然の力を利用しようという発想は素晴らしいですね。
ただ思うようには機能しなかったという説もあるそうですが。
石積埠頭と排水路はそれぞれ国の重要文化財に指定されています。
建物も何棟かあるようなのでそちらも見ていきましょう。
まずはこちら。
これは浦島屋といって、当時西港にあった旅館を、当時の写真を元に復元されました。
作家の小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)も滞在したことがあったようで、その時の様子が「夏の日の夢」という紀行文に残っているそうです。
ここは休憩所になっており、自由に出入りができます。
なかには八雲の資料なども展示されていました。
その隣にあるは龍驤舘(りゅうじょうかん)。
国の登録有形文化財です。
大正7年に、明治天皇即位50年を記念して当時の宇土郡(現在の宇土市と宇城市の一部)の教育会が建てたもの。
当時は郡の公会堂、そして郡立図書館だったのだとか。
現在は三角西港の歴史を学べるガイダンスセンター。
なおこの場所は、もともとは先に紹介した浦島旅館があった場所なんだそうです。
排水路の脇に建つのはムルドルハウスと呼ばれる建物。
三角西港の設計者であるムルドルにちなんで新しく建てられた物産館です。
中では物産館オリジナルの三角(みすみ)カバンなどが販売されていました。
三角カバンは宇城市のふるさと納税返礼品にもなっているそうですよ。
こちらは旧海運倉庫を改装した西港明治館。
海に面したテラスのあるカフェ/レストランとして利用されているようですが、残念ながら現在はカフェのみの営業となっているようです。
こちらも国の登録有形文化財。
最後はこちら。
旧高田屋回漕店という明治20年代に建てられた廻船問屋跡です。
平成になって修復はされたそうですが、築港当時の面影を残す港湾施設の一つ。
宇城市の指定文化財でもあります。