「泣いたらダメだから」

と、

きつく言い聞かされ指導されてきた。

 

あたしが、新人時代の話し。

 

 

たしか・・・。

 

あたしが夜勤勤務でもって

初めてステルベンに当たることになるであろう その日。

 

ターミナルで最期の刻を待つばかりのその患者。

 

を、

受け持つことになった若かりし頃のあたしに

先輩ナースが言ったんだ。

 

「泣くな」って。

 

 

あの時のあたし。

緊張もしてたし、

泣けなかったんだよな・・・。

 

で。

泣かなかったあたしに「よくやった」ってなこと言われたんだ。

 

それを

あたしは 褒められたよーな気分で受け止めてたんだ。

 

 

 

ここのところ。

 

新人ナースが夜勤業務に入ってきた。

 

初めてのステルベンを体験して、何を心に刻むのだろーか。

 

 

泣いちゃうよね。

 

泣いてイイよ。

 

家族と一緒に悲しみを共有していい。

 

 

でも。

仕事している身でもあるから。

 

その気持ち引き摺って、

他の患者の前に立つことはやめてけれ。

 

・・・。

そーゆうこと

あのときのあの先輩ナースは思っていたんだろうけれど・・・。

 

言ってくれなきゃ伝わらない。

 

こんなシーンこれからいくらでも起きることだから。って。

だから慣れろ。って・・・。

 

 

でもさ。

 

慣れないよ。

そんなん慣れることじゃないよ。

 

あのとき。

そのことに気づけたなら、

あたしは変わっていたのだろーか。

 

 

いま。

 

あたしは、泣くよ