なぜだか気持ちが掻き立てられ、観に行きたくなったわけ。
自分の気持ちをリセットしたかったし、
誰かが発信するコトバに影響されたかった。
出版社・玄武書房に勤める馬締光也は、
営業部で変わり者として持て余されていたが、
人とは違う視点で言葉を深く捉える能力を買われ、
辞書編集部に迎えられる。
新しい辞書「大渡海」を編む仲間として。
定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者、
次第に辞書作りに愛着を持ち始めるチャラ男。
個性派ぞろいの面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。
そして出会った、運命の女性。
だが言葉のプロでありながら、
馬締は彼女に気持ちを伝えるのにふさわしい言葉をみつけられない。
問題が山積みの辞書編集部。
果たして「大渡海」は完成するのか?
そして、馬締の思いは伝わるのだろうか?
本が好きで辞書を手放さない馬締は
言葉をたくさん知っているのに その使い方を知らない。
言葉を通して人とコミュニケーションをとらないで過ごしているから、
周りからは変人にみられてる。
そんな馬締が辞書部配属となり、恋を知り・・・。
誰もが相手のホントの気持ちはわからない。
わからないから、言葉を交わして知ろうとする。
伝えたい繋がりたいと想う気持ちを、言葉で表すんだ。
言葉の持つ意味を選んで・・・。
もし あたしが『右』という言葉を誰かに説明するんだとしたら、
どう表現するんだろうか・・・
『恋』という言葉だったら・・・
今までの自分の経験や生き様が
その言葉の持つ意味にあらわれるのだとしたら、
もうちょっと真面目に人と関わるべきだな と考える
言葉の海に呑み込まれぬよう