その患者さんは かなりな年配の方で、

主治医の先生を尊敬し、

主治医の言うことは絶対で、

主治医に何もかもを ・・・お任せしている。


でもね、

毎日、身近でケアしているNs達には、

ホントの本音をポロポロこぼす。




「もう、手遅れなんだって。」


病気が身体を蝕み、治療の施しようのない状態の 患者さん。


治療の為の入院というよりも、

対症療法と緩和ケアが中心となる。


告知を受けて数日後、

「死ぬ準備をしなきゃいけないから、家に帰りたい。」・・・って。




全身に痛みは伴うけれど、

今は食べれる 今は歩ける 今は意志を持って行動できる。


今のこの状態なら、家族への負担は何もない。




やりたいことをやろう。


先生にちゃんと言おう。


でも・・・、主治医を前にした途端・・・尻すぼみ。


空笑顔で また 主治医の言いなりになってしまった。



本心とは違うことを主治医に言われて、我慢している患者さん。


そんな光景を目の当たりにして、思わず口をはさんだ。



「どの状況も痛いんです。本人が一番辛いんです。

痛くても 辛くても 本人が望むなら、

今の最良の方法を選択させてあげたいんです。」


興奮して声が大きくなっちゃったけど、

今、何が大事なのかを見極めたい。




もうね、先生に遠慮なんかしなくていいのよ。


ホントのこと本気で伝えれば、ちゃんと届くから花