「人って どうやって死んでゆくんですか?」


そう ご家族の方に質問された。



「人が死んでゆくのを 真近で見たことがなくって・・・。」


そう その人は、続けて言った。



「やっぱり、今日あたりですよね。」


今この状況から、快方に向かうことは考えられない。

それでも死を語ることは出来るはずもない。


人の生死は、人の予測を超える特別なものだから。





意識の無い患者さんが眠る そのベッドの周りには、

医療機器の各種ランプがシャンデリアのようにキラキラと

赤や緑や青色の輝きを放っている。



刻々と迫る死を前に、傍らで見守る家族達。


その家族の中に、

明らかに興味本位で覗き込む その人はいた。




「看護婦さん達は そうやって話しかけているけど、

本人には聴こえてないんじゃないでしょうか。」


いーえ。

たとえ話しが出来ない状態であっても

Ns達は皆、最期まで人として接しているんですよ。



「看護婦さん達は、手を握ってあげてとかって言うけど、

本人は もう分からないんでしょ。」


いーえ。

触れることで、あなたの気持ちが伝わるはずです。

あなたが、その人を想う気持ちが。




あたしの仕事は、決してモノを相手にしているわけじゃない。


言葉を知らない新生児でも、

話しをしない植物状態でも、

聴こえてるとか解ってるとか感じてるとか・・・、

届いていることを信じているから。




あ~~、そうだ。


人はいつ死ぬと思いますか?


それは「人に忘れられた時さ」って名言があるの。


あなたは理解できますかクローバー