が学校の図書室から借りてきた本
事件の真相が気になり、
犯人の生徒達の行く末が気になり、
告白を受けたクラスメイト達のその後が気になり、
一気に読み終えた。
湊かなえ 著
愛美は事故で死んだのではありません。
このクラスの生徒に殺されたのです。
我が子を校内で亡くした女性教師が、
終業式のHRで犯人である少年を指し示す。
ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、
それぞれ語らせ真相に迫る。
少年犯罪について、
加害者の更正 被害者の心情について 、
考えさせられる一冊。
犯人の処罰を法に委ねたところで、
少年法により守られる。
そして責められるのは、犯罪を犯した少年を取り巻く大人達。
「・・・本当に悪いのは誰ですか?」
告白を聞いたクラスメイトたちが、犯人に行なう制裁。
「AくんとBくんが人殺しなら、ここにいる子たちは何ですか?」
最愛の娘を生徒に殺された教師の復讐劇。
「憎しみを憎しみで返してはいけない。
それで心が晴れることなど、絶対ないはずだ。
それよりも、彼らはきっと更生することができる。
そう、信じてやってくれ。
それはきみの再生にもつながるはずだから・・・。」
誰も救われない・・・。
読み終わったあと、何ともいえぬ後味の悪さが残った。
あ~~、正義は一つじゃないんだ